雨とメコンと少数民族〜Nong Khiaw

タイムスリップしたようなノーンキャウの町

ウドムサイからノーンキャウへの移動。当初順調だったものの、パンクによる立ち往生のため、ほとんど夕方到着となってしまう。移動しただけの1日。

2008/08/14(Thu:第15日)山道で立ち往生<ウドムサイ 曇り ノーンキャウ 晴れ>

ウドムサイ8:45-(Bus)-16:00ノーンキャウ〜Seng Dao Guest House
ノーンキャウへ
ゲストハウスから出ると、托鉢の僧<下左>がいた。ルアンパバーン(註1)では僧侶の数も相当なもので、壮観な托鉢(註2)風景を見ることができるが、ここでは、僧侶は喜捨する人たちを立ち止まって待っている。朝食をシンペットで取る。牛肉のフー<下中>7,000キープと安いが、ハーブを盛り合わせた皿は付かなかった。シンペットの柱には巨大な蜂の巣<下右>があり、インテリアの一つなのだと思った。ゲストハウスに戻り、チェックアウト。ラオスキープもあったが、今ラオスキープを減らしたくなかったので、外貨払いとする。以前訪れた2年半前のラオスでは、外貨払いが当然のような感じだったが、今回は初日のフアイサイでバーツ表示がしてあっただけで、あとはすべてキープ払いである。(註1…Luang Phabang。旧名Luang Phrabang。人口10万人ほどのラオス北部の都市。かつてのランサーン王国の首都であり、革命までは王族が暮らしていた。世界遺産に登録され、近年人気が高い。)(註2…仏教における修行の一つであり、上座部仏教では毎朝在家信者の家を回り、食べ物をもらう行為。私有財産が基本的に禁止されている僧侶には托鉢で得られる食べ物が唯一の食事となる。)

立ち止まる托鉢 本日はフー 店のインテリア

1泊60,000キープなので、120,000キープとなる。アメリカドルなら15USDくらいかと思ったが、宿の主人は両替率がわからなくなったのか、「中国元なら100元ちょうど」ということで、100元を払う。
10分ほど歩き、バスターミナルへ。ノーンキャウまで9:00発の40,000キープである。できたら前日にチケットを手に入れたかったのだが、当日買いのみだという。ノーンキャウの表示がある乗り場に行ってみると、小さなワゴンが止まっていた。ドライバーらしき男性にきくと、ノーンキャウ行きだという。荷物は後部に積む。屋根ではなかった。ドライバーは萩原流行(註3)を若くしたような感じであった。(註3…1953年生まれの日本の俳優。)
乗り込むが、ほぼ座席は埋まっている。14名分の座席があり、すでに11名が乗車している。ドライバーを入れると12名。さらには助手もいて13名ということになるが、そろそろ出発かというところに、子連れの民族衣装を付けた4人組がやってきた。どうするかと思っていると、3人掛けの席に4名座るのだ。これでかなり居住性は悪くなる。ようやく出発するが、定刻前である。ラオスのバスは満員になると時間前でも発車するというのは本当のことであった。
最初にガソリンスタンドに立ち寄り、ノーンキャウ方面へ。国道1号線だが、がたがたの山道である。民族衣装を付けた人たちは、モン族<下左>であろうか。兄弟のように顔の似ている男性の腰には、鉈が挿してある。ドライバーと助手の間に座った少数民族の子供はすぐに顔色が悪くなり、乗り物酔いをしたらしい。子供は男性の一人に抱きかかえられることとなった。女性の姿が見えなくなったが、こちらも乗り物酔いらしく、シートから降りて床に座り込んでいるらしい。自分の隣に男性の一人が座っているが、こちらもビニール袋を抱え込んで必死の形相である。何とも三半規管の弱い人たちである。

黒服の男性がモン族 いったんクルマを降りた

ちょっとした集落のぬかるみ<上右>でワゴンが動けなくなる。全員降りて、クルマを軽くし、これを脱出。またしばらく山道。隣の男性はさらに激しく嘔吐する。前にいた人に席を替われといい、窓の開く席に移った。直接窓を開け、さらに激しく嘔吐。
アクシデント発生
パンク何もない山道で、クルマが止まる。怒りの萩原流行はモン族の男性に向かい、「吐くならビニール袋にしろ!」みたいなことを言い、ペットボトルの水をドアにかけた。パンク。全員降りてきて、これを見守る。ドライバーと助手がジャッキとスペアタイヤを出し、タイヤ交換。しかし、スペアタイヤにも穴が開いていたようで、ジャッキを下ろすとこれもパンク<右>と判明。まったく、エアージャッキまで備えているというのに、この始末である。
助手が通りかかったクルマを止め、タイヤを積んでどこかへ立ち去った。さらには、ドライバーも鍵を握りしめて、別のクルマで助手を追う。あきらめる乗客は、後部の荷物からいろいろなものを出して、道で休みだした。ラオス人たちは移動の際にカオニャオとおかずなどを携帯しているようだ。後ろの席に座っていた兄ちゃんが、「一緒に食べよう」と誘ってくれたので、カオニャオと焼いた鶏肉を少しいただいた。優しさがありがたい。
ようやくドライバーが戻ってきたのは、パンク判明から3時間後。この間に、2名がバスを離れ、歩いてどこかへ立ち去った。15名乗車となる。次の町、パークモン(註4)へ到着したのは1時間後。ここで修理をしたものと見える。後ろの兄ちゃん2名はここで下車。(註4…Pakmong。国道1号線と13号線の分岐点。)
ようやくノーンキャウ
パークモンからノーンキャウまでは比較的平坦な道で、舗装状況も良くなった。助手がちょっとした店でビアラオを購入し、瓶から直接飲んでいる。さらにはドライバーにも回し飲み。まあ、一仕事のあとなので、しょうがないか。助手が「あと15分でノーンキャウ」と告げる。実際には30分ほどかかったが、流れ行く風景は雄大なものである。

すべて独立した作り ベッドがほとんどを占める 蚊帳と扇風機 シャワー室

ノーンキャウ到着。バスの到着した近くにあったゲストハウスに宿泊。1泊70,000キープらしいが、バーツで支払う。500バーツで53,000キープが戻る。部屋はバンガロー<上左>タイプで、竹作り。部屋<上左中>には蚊帳<上右中>がかかり、蚊が多いということを伺わせる。シャワールーム<上右>もまずまずだったが、トイレには便座が欠落していた。テラスもあり、ここから川<下左>がよく見える。早速洗濯である。

テラスからの風景 ウー川 ウー川に架かる橋 まさに山に囲まれたところ

もう夕方だが、カメラを持って町を歩く。まずは対岸へ。ウー川<上左中>(註5)には立派な橋<上右中>が架かり、これを渡ろうとすると、バイクの男性が通りかかった。見ると、例の萩原流行で、もう着替えていた。シャワーなども浴びたのだろう。さらには、乗り合いのソンテウが通り過ぎ、手を振る人たちがいた。少数民族の男性であった。ウー川<上右>もかなり流れが速く、ボートも行き交っている。(註5…Nam Ou。メコンの支流の一つ。パークウー洞窟あたりでメコンと合流する。)

対岸の風景 メインストリート いくつかの等級があるようだ ウー川に架かる橋

対岸<上左>を少し歩く。数軒のゲストハウスとレストランなどがあるだけで、すぐに戻る。本当に小さな町である。止まっているゲストハウス前の道が未舗装ながらも町のメインストリート<上左中>のようである。目立った商店などもなく、わずかに米<上右中>を商う店があるくらいだ。川に向かう道がある。途中から橋<上右>が見えた。ボート乗り場<下左>まで行ったものの、ほとんど外国人を見かけない。ノーンキャウとルアンパバーンはスピードボート(註6)で結ばれ、さらにスローボート(註7)などで上流のムアンゴイ(註8)とも結ばれている。昼食は食べてないが、今食べると夕食に影響がありそう。観光案内所の看板を掲げる店で、ビアラオの缶<下左中>を購入。6,000キープ。その場で飲む。ここで外国人旅行者に話しかけられた。カメラのバッテリーの予備を持っていないかとのことだが、型が異なった。飲みながら見ていると、橋を渡りどこからかともなく外国人旅行者が大勢戻ってきた。近くにトレッキングなどに行ってきたものと思われる。ゲストハウスに戻る。入り口はレストラン<下右中>となっている。バンガローに行く道の途中、山羊<下右>なども出現した。(註6…Speed Boat。細長の船に自動車のエンジンをつけたもので、かなりのスピードが出る。ただし、居住性が悪く、ライフジャケットとヘルメット着用。)(註7…Slow Boat。キャビンがある船で遅い。都市間の移動では途中1泊が必要になる場合もある。)(註8…Muang Ngoi。ウー川の上流にある町で、かつてムアンゴイ群の群庁所在地であった。群庁所在地はノーンキャウに移された。だが、ノーンキャウとともに静かなところとして近年人気が出てきている。)

ボート乗り場 初登場のビアラオ缶 ゲストハウスのレストラン バンガローに戻る道

冷え込む夜
夕食は対岸へ出かけた。山間部で涼しく感じられたが、体調も今ひとつのような感じである。パンク待ちでかなり日焼けしてしまった感もある。夕食はビールをやめて、ミネラルウォーター<下左>とする。ヌン・パー<下中、下右>(註9)という魚料理。レモングラスとニンニクでの味付け。おそらくナマズだろうが、大きい骨がある以外、味は悪くなかった。さらにカオニャオ。28,000キープ(註9…Nung Pa。蒸した魚に香辛料で味付けした料理。)

ビールはやめる ヌン・パーとカオニャオ ナマズか

Tシャツの上に長袖を着込んで出かけたが、汗がびっしょりとなる。やはり体調が悪い。<Next→ソンテウに乗って世界遺産へ>

バンコク(1) バンコク(2) チェンマイ(1) チェンマイ(2) チェンラーイ フアイサイ

ルアンナムター 景洪(1) 景洪(2) モンハン モンフン モンラー

ウドムサイ(1) ウドムサイ(2) ルアンパバーン(1) ルアンパバーン(2) ルアンパバーン(3) バンビエン(1)

バンビエン(2) ヴィエンチャン ノーンカイ(1) ノーンカイ(2) バンコク(3) カンチャナブリー バンコク(4)

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