雨とメコンと少数民族〜Jinghong(2)

民族工芸品市場にて

景洪2日目。この日も景洪周辺を巡るツアーを探しつつ、景洪市内の観光を行った。

2008/08/08(Fri:第9日)Have You Ever Seen The Rain?<景洪 雨>

景洪市内観光(民族工芸品市場、孔雀湖公園、西双版納熱帯花卉園、曼聴公園)〜建華賓館
カフェの朝食
朝食は宿のある曼聴路(註1)で済ます。曼聴路には中国には珍しく、カフェが集まっているが、ほとんどが外国人向けで独自のツアーなども扱っているのである。そんな中から、バンナ・カフェ(註2)を選び、中国式の朝食<下左>とする。汁ありの麺<下中>、ゆで卵、カットフルーツ<下右>、お茶という内容。卵は調理方法が選べ、飲み物は珈琲またはフルーツシェイクの選択も可能。麺は、味の薄いラーメンのような感じで朝食としては少し重かった。カットフルーツは、バナナ、マンゴー、梨のような食感のもの、ザクロなどの盛り合わせである。18元。ここの従業員は漢民族ではなく、少数民族の男性であった。(註1…ゲストハウスや格安ホテル、カフェなどの並ぶ通り。ひときわ外国人旅行者の多い地区である。)(註2…Banna Cafe/版納珈琲。ここもツアーを扱う。)

セット内容 麺 カットフルーツ

宿に戻ると、チェックアウトするかどうかきかれる。4日泊まることを告げる。ガイドブックによると、市内の景洪賓館あたりには旅行会社が集まっているとのことだったので、まずはこのあたりに行ってみる。そこでツアーが見つかればよし。だめでも、そのまま市内の主だったところに行ってみることにする。
出稼ぎビルマ人
曼聴路の出口あたりにはバイクタクシー<下左>がたむろしている。しばらく歩くと、病院があり、見舞い用の花や食べ物<下左中>を綺麗にラッピングして売る店が目立つ。さらには乾燥させた唐辛子<下右中>や、風船売り<下右>なども見かける。

バイクタクシー 差し入れの食べ物 赤い唐辛子 風船売り

景洪賓館あたりにも、安そうなホテルが集まっていたが、旅行会社はほとんど見あたらない。探し方がよくないのだろうか。ガイドブックによると、食事中にもツアーの誘いがあるというような記述があるが、これはシーズン中のことなのだろうか。また、このエリアは、1994年に利用したツアーで泊まったエリアでもあるが、まったくその時の面影を残していなかった。当時の景洪はかなりのんびりとしたところでもあり、宿のあたりには、人力の三輪タクシーが客待ちをしていたほどである。だが、三輪タクシーなどはまったく見つからず、行き交う人々もほとんどが漢民族である。

入り口 ミャンマー物産店 羽を使った土産物 少数民族の果物売り

歩いているうちに、民族工芸品市場<上左>というものがあった。とはいうものの、ひとつの通りに土産物店を集めたものといって良さそうだが。ここでも少数民族は少なからずいるものの、客としてである。製品としては、ミャンマー(註3)からの玉や宝石が目立つ。ミャンマーの宝石店<上左中>の他、シーサンパンナの象徴でもある孔雀の羽<上右中>を使った土産物などがある。しかし、これはワシントン条約違反である。また、反対側の入り口近くでは少数民族<上右、下左、下左中>が果物を売っていた。ここもほとんど漢民族が占めているが、少数民族も買い物などをしている。服装が異なるので、すぐにわかる。(註3…Myanmar/緬甸。ミャンマーにも中国系の移民がいるが、ここで見かけるビルマ人はインド系に近い人たちであった。また、市内の至る所でビルマ人が店を出している。)

少数民族のブドウ売り 少数民族の買い物客 ヤンゴンから来た ビルマ人の土産物屋

引き返し、ミャンマー物産の並ぶ店にさしかかる。そんなビルマ人<上右中、上右>「ニーハオ」と話しかけられ、「日本人だから、ニーハオじゃないよ」とやりとり。写真を撮らせてもらう。何でもヤンゴン(註4)から来ているとのことである。彼らはシーサンパンナ(註5)に来ても、ロンヂー(註6)を穿いていた。(註4…Yangon。人口410万人。ミャンマー連邦の前の首都。実質的には現在も首都のようなものである。)(註5…Xishuangbanna/西双版納。タイ語のシップソーンバンナーを北京語で音写したもの。元々は12の千の田という意味。45代続く王朝があったが、1956年の中華人民共和国による社会改革により滅亡した。現在は景洪を中心とする西双版納タイ族自治州に組み入れられている。タイ族を中心とする少数民族が7割を占める。だが、景洪あたりでは漢民族の方が多い。)(註6…Loungyi/Longyi。ミャンマーで男女ともに着用する腰布。下着は着用しないとか。)
雨とメコン
町並みがとぎれ、メコン川、いや瀾滄江<下左>の姿が見える。赤土のむき出したところであったが、写真を撮る。ただし、このあたりから雨が降り出し、メコンは雨で煙っていた。

景洪のメコン 市民の憩いの場 鳥籠 中国将棋を指す

このあたりで引き返し、孔雀湖公園<上左中>へ。鳥を愛でる人が多いのか、鳥籠<上右中>を抱える人の姿も。公園内ではのんびりと中国将棋<上右>を指す人が目立つ。テーブルには将棋の盤が描かれている。また、トランプに興じる人も多い。ここには、有料の公衆トイレもあったが、少し歩いたところのホテルで用を済ます。
広大なフラワーガーデン
西双版納熱帯花卉園へ。入場料40元。あいにくと雨。花<下左>に期待したものの、あまり綺麗ではない。それでも、広大な園内を歩き回る。電動カート<下左中>も用意されていたが、どうせ中国語の案内なので歩く。中程には周恩来(註7)の像があった。1961年に当時のビルマと中国がここで首脳会談をしており、その時の記念碑<下右中>である。ここは、以前も訪れたところ。(註7…Zhou Enlai。1898-1976。中華人民共和国の初代首相。)

やや色あせた花 園内を回るカート 周恩来の記念碑 ゴムの採取

中程にはゴムの木<上右>があった。ゴムの樹液を採取している様子がうかがえようになっている。元々ここは、シーサンパンナに自生していなかった、ゴムの木とアブラヤシの栽培を研究するところであったらしい。このさらに奥には、果樹園<下左>となっていて、珍しい熱帯のフルーツが実をつけている。ただし、勝手に採って食べてはいけないという表示があるところがいかにも中国である。

果物 ブーゲンビリア 巨大ハス ニシキゴイ

この時点でも雨は降ったり止んだりである。ブーゲンビリア<上左中>の花が咲いていた。園内には池<上右中、上右>もあり、巨大なハスやニシキゴイなどを眺める。
すでに昼。珍しくファストフードの店<下左>があり、フライドチキン<下左中>を頼むことになってしまう。と、いうのは、こちらが見間違えたためである。ファストフードなのに、支払いはあとでというシステムであった。普通に、ハンバーガーにしておけばよかった。10元

中国のファストフード フライドチキン 上座部仏教寺院 寺院内部

曼聴公園へ。ガイドブックの地図がやや間違っていて、時間がかかる。というより、素直に5元のタクシーに乗ればいいのだが。公園の手前には曼聴佛牙寺<上右中、上右>があり、造りからいってタイ族などの上座部仏教の寺である。だが、ほとんど人気がない。
スコールで足止め

巨大なモニュメントである 水掛祭りに参加した周恩来 中央の池 熱帯の花

そして、曼聴公園。入場料40元。ここにも、周恩来の記念碑と像<上左>があった。どうやら周恩来が水かけ祭り(註8)に参加した記念のようである。別館にはその写真<上左中>も展示してあった。公園内には、池<上右中>熱帯植物<上右、下左>があり、ツルや猿、熊などの動物が飼われている。特に、孔雀<下左中>は大きなケージがあり、人間も入ることができるほどである。優に100羽以上が飼われていた。(註8…Songkran。タイにおける旧正月でもあり、タイでは例年4月13日から15日まで。)

バナナ 孔雀 曼飛龍仏塔のレプリカ 景真八角亭のレプリカ

そのあたりでまた雨。雨宿りするが本格的なスコールの模様。1時間くらい足止めされた。小やみになり、園内にある総佛寺へ。足早に写真を撮る。また、ここにはダーモンロン(註9)にある曼飛龍仏塔とモンハイ(註10)にある景真八角亭の大きさまで忠実なレプリカ<上右中、上右>がある。さすがにコピー天国中国である。(註9…Damenglong。景洪の南50kmほどにある町。白塔とも呼ばれる仏塔がある。ミャンマー国境まであとわずかの距離。)(註10…Menghai。景洪の西50kmほどにある町。景真八角亭とモンフンのサンデーマーケットがエキゾチックさを醸し出す。)
曼聴公園ではタイ族(註11)のショーを見ながらの夕食も取ることができる。しかし、日中の料金とは別で出口に行くと警備員が追い立てるように強制排除される。入り口では夕食のための客を出迎える民族衣装の人たちが鈴なりであった。(註11…もともとこの地域に居住していたタイ族が南下し、ビルマでシャン族、ラオスでラオ族、そして、タイに居住するタイ人となっていったとされている。中国ではタイ人を「泰」、雲南に居住するタイ族をダイとして、区別している。シーサンパンナ対族自治州では人口の30%を占める。
北京オリンピック開幕
再びバンナ・カフェに行き、アイスコーヒー<下左>6.0元。しばらく宿で休み、夕食へ。近くにあったタイレストランは客が多く、入るのをやめた。少し歩いたところにある大型ホテルのショッピングモールにあった中国式レストランへ。言葉が通じない。かろうじてビールにあたる、「ピージュウ」でビールを注文。しかし、いくつもブランドがあり、ハルピンビール<下左中>にする。持ってこられたグラスはまるでウオツカのストレートを飲むような小さなものであった。あとはメニューから指さしで注文。ご飯と、ハムとキュウリの冷菜<下右中>鶏肉のさいの目切り炒め<下右>とする。

バンナ・カフェで ハルビンビール 冷菜 鶏肉炒め

店の従業員がテレビの前に集まりだす。北京オリンピック(註12)の開会式がこの時間にあるのである。頼んだ料理は量が多く、すべてを食べることは無理であった。折を見て、勘定を済ます。36元。帰りに、ドラッグストアで飲み物を購入。2.0元。冷蔵庫に値段が書いてあるので払いやすい。宿に戻ると狭いレセプションはテレビを見る人でいっぱいであった。ただし、こちらの顔は覚えてもらったようで、いわなくても鍵をもらえる。(註12…開会式は2008年8月8日午後8時と、縁起のよい8にあわせて行われた。)
オリンピックの開会式はかなり長かった。<Next→雨の中の水かけ祭り>

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