雨続きのシーサンパンナ。この日は景洪を出て近郊のガンランパに行くことにした。勇んでバスターミナルに出かけたものの…。
ガンランパ観光(西双版納タイ族園、農貿市場)
景洪11:50-(Yunnan Bus)-12:55モンハン16:40-(Yunnan Bus)-17:40景洪〜建華賓館
Rain, Rain, Rain
起きるのが遅くなった。向かいのタイレストランに行く。朝は、メニューからではなく、壁に書いてあるものしかできない模様。海鮮炒飯<下左>15元。スープとサラダ<下中>付き。朝食としてはかなり高い部類である。炒飯にはエビが入り、サラダは大根と高菜漬けの味のする葉物のミックスであった。
相変わらずの雨で、日本から持ち込んだ小型の折りたたみ傘ではなく、大きさを確かめて、現地購入してもいいと思った。レストラン並びの店に傘はあり、広げてみて購入を決める。こちらも朝食と同じく、15元である。折りたたみ傘<上右>にしては軽くて広め。購入当時はいいと思っていたが、傘とフレームをつなげる縫い目からかなり水分がしたたり落ちるというものであった。だが、持参のものよりはだいぶ役に立った。
この日はガンランパ(註1)というところに行くことにする。結局ツアーはあきらめ、自力で行くことにしたのだ。ただし、時間がかかる。宿に戻り準備をし、通りに出てタクシーを止める。行き先は景洪客運站。発音がわからないので、紙に書いてドライバーに見せる。メーターが上がりっぱなしで、冷や冷やしたものの、やはり市内は一律5.0元なのであった。(註1…Ganlanba。最もシーサンパンナらしいところとして紹介されている。最寄りはモンハンという町。)
景洪客運站はモンラーからのバスが到着したところであった。チケット売り場はプレハブ作りで、行き先別に窓口があった。これも発音がわからず、モンハン(註2)と紙に漢字で書き、チケットを購入しようとしたが、答えは「没有」であった。「なんでだよー」と日本語でつぶやくと、係は紙に絵を描き、道が通行不能である意味を示す。(註2…Menghang。景洪市に属する町で、メコン沿いにある。)
さあ、どうしようか。とりあえず、メコン<右>に架かる橋まで歩く。写真を撮ったものの、またしても雨。川幅は300mといったところか。フアイサイよりも上流だが、そうかなという感じもする。眺めていると、川岸のむき出しの土砂が崩れてメコンに流されていく。引き返そうという頃、モンハン行きのバスが橋を渡った。道が通れるようになってきたかと、バスターミナルに戻る。
ようやく出発
やはり、そのようで、チケットを売ってくれる。8.0元。うち、0.5元が保険料らしい。乗り場は、チケット売り場から建物を入った裏手で、乗車するバスはやはりミニバスであった。指定の席にはすでに女性が座っていたが、どいてもらう。車内でタバコを吸う人民数名。一方ではオリンピックも開かれているというのに。辺境ではこんな有様である。
バス<下左>は比較的時間に正確であった。ガンランパまではメコンに沿い、下流方面に進む。途中数カ所の土砂崩れもあり、土砂を片づけるパワーショベルなどが出動している箇所もあった。
モンハンのバスターミナルに到着。近くには農貿市場というところもあるはずだが、よくわからず、大通り沿いの食堂で腹ごしらえ。「麺」と告げると理解してくれた。注文を受けた女性は表で調理を始めた。ごりごりと石臼で何かをつぶすような音がする。しばらくして料理がやってくる。麺<上中>は冷麺だったが、一口食べると理解する。ソムタム(註3)の味がするのだ。お茶請けなのか、ひまわりの種<上右>(註4)もこれにつく。5.0元。(註3…Som Tam。イサーン料理/タイ料理。未熟のパパイヤとナンプラー、ニンニク、唐辛子などを鉢に入れて棒で叩き和えた料理。ラオスにも同様のものがあり、タムマークフンと呼ばれる。)(註4…中国を中心とする東アジアではひまわりの種を食べる。このようなスナックとしてはカボチャの種も好まれる。)
タイ族のテーマパーク
市場を探しつつ、歩く。モンハンにはトゥクトゥクそっくりの三輪の乗り物<下左>がかなり走っている。どうやらタクシー代わりとして利用されているようだ。大きなゲートが見えてきた。そのまま西双版納タイ族園に到着してしまう。入場料50元。しかし、園内は広く、内部には実際に5つのタイ族の村を囲ってテーマパークにしたところなのであった。
最初の村に到着。高床式の住居<上左中>が建ち並ぶ。工場見学よろしく、機織り<上右中>を撮らせてもらう。ここで作ったものは彼らの現金収入になるようだが、住居自体は公開していないらしく、つまらないなと感じた。次の村には、寺院<上右>があった。だが、内部は公開されているものの、写真撮影禁止という有様である。これまたつまらん。ここでフィルム交換。だが、予備のフィルムを忘れ、以降デジカメだけで撮影となった。なんてこった。
寺院を出るとちょっとした広場となっていて、露店<上左>があり様々なものが売られていた。天気がよくないことがすべてであり、次の村に行ってみても、あまり面白味は感じなかった。村の建物<上左中>は、レストランなども営業していて、タイ族の料理が味わえるようである。ある村に入り、高床式の住居の軒下につるされたトウモロコシ<上右中>は色が紫でモチ種(註5)のようであった。トウモロコシも照葉樹林文化(註6)の元では品種改良により、粘りけのあるものもできるのである。これらに飽きてくる頃、水かけ祭りのショーを行うという、撥水広場<上右>に到着した。(註5…デンプン質のうち粘りけのあるアミロペクチンがほとんどのもの。品種改良によりトウモロコシにもモチ種が存在する。)(註6…タイ北部、ラオス、雲南省、ブータン、ネパールなどに共通する文化。常緑広葉樹の多い地域で、これらを中尾佐助らは東亜半月弧と呼んだ。日本の縄文時代の文化が東亜半月弧とよく似ていることから、照葉樹林文化論が生まれている。)
広場には中国語のアナウンスが響き渡っていた。水かけ祭りのショーが近づいているようだ。広場の脇には象<上左>が飼われていた。記念撮影用らしい。そして、ここではタイ族の貸衣装もあり、これに着替えて水かけ祭りを体験できるらしい。見ていると、若い漢民族を中心に体験したい人は多いようであった。園内で働くタイ族の女性<上左中>が続々と集まってくる。水かけ祭り<上右中、上右>の始まりである。やがて列になり、撥水広場の中心にある池の周りを歩き出した。そして、アナウンスとともに入水し、派手に水を掛け合っている。もっと近づいて撮影したいものだが、カメラを濡らされないようやや遠巻きにする。アナウンスは何度も繰り返され、水から上がってはまた入っていく。何回繰り返されただろうか。
貸衣装の人たちも水を掛け合い、それを尻目に出口へ。広い園内には有料の電動カート<上左>もあったことがようやくわかる。出口近くには、ひっそりとした寺院<上左中、上右中>もあった。モンハンのメインストリートにはオリンピックのキャンペーンの横断幕<上右>がかかっていた。
農貿市場
バスターミナルに戻ろうというところで、農貿市場<下左>を見つけた。ガイドブックの地図が位置関係がバスターミナルと逆であったのだ。ここは、階段状になった屋根のある市場であった。少数民族<下左中>もある程度は出てきている。
各種の漬け物<上右中>がある。漬け物も発酵食品の一つで、日本人にもなじみ深いものである。これまでもチェンマイと景洪で高菜漬けのような味の漬け物を味わっている。そして、雲南名物のプーアール茶<上右>(註7)も売られていた。広東料理に欠かせないお茶である。景洪でもこの名物を味わうことのできる茶芸館が集まっているエリアがある。(註7…Puer Cha。雲南省南部を原産地とするお茶で、コウジカビで発酵させたお茶。香港などでは普段飲まれているお茶はプーアール茶である。入れるとかなり濃い色となる。)
一方に目を向けると、各種の麺<上左>が売られていた。また、鶏の丸焼き<上左中>なども。珍しいところでは、北京オリンピックのデザインのジャージ<上右中>もあったほどである。いつまでもここでぶらぶらしていると、道がまた通行不能にならないとも限らない。バスターミナル<上右>に舞い戻り、景洪行きのバスを待つ。
カフェで一息
帰りのバス<下左>はかなり小さなワゴン車であった。しかもかなりのオンボロであった。景洪へは、版納客運<下左中>という、ターミナルに到着。初日到着したところとは異なる。曼聴路まで歩いて戻る。雨はあまり降っていなかった。Azelia Cafeというところで、雲南コーヒー<下右中>(註8)をオーダー。ポットで出てきて、比較的美味い。7.0元。これで冷えた身体が温まった。(註8…シーサンパンナはコーヒーを生産し、雲南コーヒーとかバンナコーヒーなどと呼ばれている。)
夕食はBanna Cafeへ。もう店員とは顔なじみである。ビアラオ<上右>、フレンチフライ<下左>、カレー味の炒飯<下左中>。28元。帰りがけ、ドラッグストアでオレンジジュース<下右中>を購入する。2.5元。冷蔵庫に値段がしっかりと書かれていて、この界隈では安い。ただし、持ち帰り用の袋は有料とのこと。宿に戻る。部屋は、初日からまったく従業員が入った形跡がなく、従って、シーツも取り替えてくれない。よって、この日より、ベッドを使っていない方にチェンジする。ふと見ると、小さなヤモリ<下右>がいた。<Next→サンデーバザール>
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