サウダーデ&ラビリンス〜Marrakech(1)

クトゥビアと観光馬車

旅も終盤。いよいよマラケシュである。ラバト発マラケシュ行きの1等車から安宿へ。クトゥビアとフナ広場に挨拶し、マラケシュでの2日間が始まった。

2007/08/20(Mon:第18日)暑いぞマラケシュ<ラバト 晴れ マラケシュ 晴れ>

ラバト・ヴィル駅8:05-(ONCF106)-12:45マラケシュ駅〜Hotel Farouk
* マラケシュのメディナが世界遺産に登録されています。
せっかくの1等車なのに…
7:00にチェックアウト。滞在費用200DHを支払う。まだ早い時間なので、朝食は諦めていたが、こんな時間でもやっているカフェがあり、朝食<下左>を頼むと、2種類のクロワッサンとカフェオレが出てきた。パンが2つあるというのは、昼食時間がずれ込むことが確実なのでなかなか嬉しい。料金は13DH

カフェの朝食 マラケシュ行き列車

ラバト・ヴィル駅へ。まだ涼しい時間帯だが、早くも汗だくである。これまでモロッコの鉄道に乗ってきた感じでは、まず時間通り来ないと思っていた。だが、遅れの表示は出ていない。結局15分遅れでマラケシュ行き列車<上右>はやって来た。先頭の1等車に乗り込む。自分の席を見つけようやく落ち着く。シートはかなりよく、空調もよく効いている。しかし、コンパートメントの通路側の窓が、投石によってひびが入りかなり危険な状態。

1等車の表示 6名掛けコンパートメント 綺麗なトイレ

やがて検札。車掌によると「車両を変われ」とのこと。なんと、この車両のあとにも1等車<上左>があり、そちらのコンパートメント<上中>であるという。車両番号表示もされていたが、なんだかよくわからない。そちらに荷物を持って移動。今度は、やや古めの車両で空調の効きもいまいちなような感じがした。隣の男性はすっかり寝入っていて、横になっていたが、こちらが荷物を棚に上げると起きて、座ることができた。それでも、このコンパートメントは3人きり。眠っていた男性は、カサブランカの手前の駅で降りていった。トイレ<上右>にも行ってみたが、アラブ式ではなく洋式でかなり綺麗である。
カサブランカではたくさんの人が乗車。コンパートメントはたった2人だけとなっていたが、それもつかの間である。すべての座席が埋まる。ここから乗ってきた夫婦と親子が何故か言い争いになる。なんだかよくわからない。車掌も来てやりとりをしているが、座席の位置を巡ってのことらしい。
これは結局落ち着いたらしい。今までのことはなんだったのかというように、夫婦者と親子は談笑している。だが、やがて、親子の知り合いらしい女性がやってきて、子供の座席を2人で座りだした。せっかく快適さを求めて1等にしたというのに、やれやれだ。
新市街の安宿
マラケシュ駅<下左、下左中>には40分程度の遅れで到着。車内の空調の効きが悪いと思っていたが、外に出るととんでもなく暑かった。駅の外へ。ここから歩いて宿へ。マラケシュも宿探しが大変だろうと、電話予約していたのである。しかし、ガイドブックの地図の書き方がやや曖昧で、わかりやすい位置にあるはずだが、かなり時間を要してしまう。予約してあるため、すぐに部屋に案内される。部屋は3階の屋上にあるところだった。日本風にいえば4階にあたる。この上にも部屋<下右中>はあった。

ようやくマラケシュ マラケシュ駅 泊まった部屋 トイレ

シングルベッド二つ。一応ツインである。ただし、床などは汚く、荷物はもう一つのベッドに置くことにする。トイレ<上右>シャワー<下左>も部屋に付いているが、狭い。窓は開けてしまうと、廊下から侵入されるような構造。窓にはスリットの入った扉の付く二重構造だが、これを閉ざすとあまり風が入らない。エアコンはないのである。ひどく暑かった。せっかくの屋上なのだが、部屋の前の廊下<下中>は風が吹き抜けない構造になっているのだ。

シャワー 部屋前の廊下 洗濯物を干す

一応、荷物整理をし、洗濯をする。この屋上ではシーツなどが干してあり、洗濯物<上右>を干していた女性の従業員に身振りで「干していいか?」と尋ねると、シーツを少し詰めてもらえた。ちなみに、この女性従業員は顔に刺青があり、ベルベル人であることがわかる。それにしても、その習慣があることはわかっていたものの、現代ではベルベル出身者でもかなり珍しい。こうして対面するのは初めてである。
バスチケットの確保
外出するが、まずやることはバスチケットの確保。このあとは最終目的地のエッサウィラへ行く。今回はロンリー・プラネットで見つけたSupratours(註1)というONCFが運営する会社を使ってみることにする。チケット売り場と乗り場は駅のすぐそばである。CTMは、地球の歩き方では新市街から乗れるように書いてあるが、これは間違いで、チケットオフィスがあるのみで、ドゥカラ門のバスターミナルから乗ることは同様である。(註1…ONCFが運営するバス会社で、列車の到着に合わせてバスを運行させている。ロンリー・プラネットによるとマラケシュからエッサウィラ、またはアガディールよりも南部、モロッコが強引に併合した西サハラ地方までを結ぶ。ロンリー・プラネットには記述がなかったが、フェズ中央駅からも路線があるようだ。)
安宿ながら駅近くの宿にしたというのは、このためでもあった。チケット売り場はやや混雑していた。モロッコ人の特徴なのか、列に並ばず割り込むという行為が目立つ。エッサウィラまでの明後日のチケットはなんとか確保したが、支払いの際にこのようなモロッコ人が割り込んできて何かを尋ねていた。係の女性は料金を受け取っていたものの、釣り銭を忘れてしまったようである。まるで落語の時そばである。これはきちんと主張して受け取る。65DHとCTMよりもだいぶ高い。
暑い…
市内バス<下左>(註2)ジャマ・エル・フナ広場(註3)へ。料金3.5DH。料金を支払うとレシートが出るのだが、これを取り忘れると、あとから乗った兄ちゃんが追いかけてきて渡してくれた。(註2…バスはなぜかスペインの長距離バス会社ALSAのマークが入っている。)(註3…Place Djama el Fna。昼はオレンジジュース屋台と各種大道芸、夜は食べ物の屋台群が出現する。ここは、世界遺産の無形遺産に登録されている。)

マラケシュのバス エアコンの効いた店で

フナ広場ではまず昼食。手頃なカフェでパニーニとコーラの昼食<上右>37DH。ただし、暑いのできちんと空調の効いた店にした。店を出るとさらに暑く感じられる。それでもとりあえずは、クトゥビア方面へ。フナ広場に背を向けるような感じで、観光馬車<下左>のたまり場を抜ける。その先がクトゥビア<下左中>である。

マラケシュの観光馬車 クトゥビア がらんとした昼間のフナ オレンジジュース屋台の男性

フナ広場<上右中>に戻り、ジュース屋台(註4)3.0DHのオレンジジュースを飲む。ここでは金を払うと絶好の被写体になってくれるのがよい。屋台の男性<上右>を1枚。この時間帯のフナは、たまに蛇使いやゲラブ(註5)のおじさんがいるくらいで、がらんとしている。ちょうど外国人旅行者がヘンナ描きに挑戦していたので、写真を撮ろうとしていたら、「写真はだめよ」とやんわり断られてしまった。(註4…ジュース屋台だけは朝から深夜までやっている。協定価格でオレンジジュースは1杯3.0DH。その他の果物も搾ってくれるがちょっと高い。)(註5…水売り。独特の衣装を着ていて、皮袋に水を入れて売る。ほとんど観光的な要素が強いが、モロッコ人の中にはこの水を買って飲む人もいる。)

薄暗い路地 歯形の看板 色鮮やかなドア グランタクシー

その後、フナの奥へ。スークを抜けて、しばらくぶらぶら歩くが、やはり暑くて仕方なく、途中で引き返してきた。薄暗いメディナの路地<上左>にも入ってみたかったが、やはり断念する。ただし、モロッコでよく見かける歯医者の看板<上左中>や、幾何学的なドア<上右中>、何気なく止まっているグランタクシー<上右>などを写してきた。この時期のマラケシュは朝早い時間か夕方からなのだろう。
バスで戻り、ちょっと昼寝。はじめは他に客がいなかったため、ドアも窓も開け放していたが、隣の部屋にアメリカ人らしい大学生風の2人組がやってきたので、ドアは閉める。彼らは、この時間からずっと屋上に出て話をしていた。
フナの屋台で食事
洗濯物は見事に乾く。この調子なら、汗だらけのズボンも乾くだろう。明日やってみよう。19:00過ぎ徒歩でフナへ向かう。宿を出ようとすると、入口の一角で男性の集団が一斉に跪くところに遭遇する。敬虔なムスリムなのだろう。
徒歩ではやや時間がかかった。期待していたトワイライトのクトゥビア<下左>には間に合わなかった。フィルムでは無理なので、デジカメの感度を上げて何とか撮影する。だが、ここには夜になると俄然活気を帯びてくる屋台<下左中>の群れがある。はじめは、食事も取らずに写真ばかり撮っていた。数軒の客引きからはメニューも渡されたが、「あとで」といっておく。

夕刻のクトゥビア エスカルゴ屋台 安くて美味いハリラ まずはこれ

まずはハリラ<上右中>の屋台へ。1杯2.5DH。ここは協定料金である。美味い。今までレストランなどで味わってきたハリラだが、ここのハリラが一番である。そして、なんでもありそうな屋台へ。まず、モロッコパンとハリサ<上右>を置かれる。オリーブとメルゲズ<下左>イカのフライ<下左中>をオーダー。飲み物はシディ・アリにした。屋台なので、ちょっと落ち着いて食べることが出来ないのが玉に瑕である。荷物置き場もなく、椅子とテーブルは小さい。まあ仕方がない。明朗会計で65DHであった。

メルゲズ イカフライ 調理人 再びジュース屋台

食べ終わり、屋台の店員<上右中>を撮影。ぶらぶら歩いて屋台を撮っているときには比較的敬遠されるものだが、オーダー後はかなり寛容である。その後、またオレンジジュースを飲み、屋台の男たち<上右>を撮影。
宿はやはり暑かった。シャワーを浴びてややさっぱりするが、窓を開け放して眠れないのが辛い。扉のみ閉めたが、室内で30度以上はあっただろう。<Next→フナ広場と屋台>

リスボン(1) リスボン(2) オビドス ラーゴス サグレス ファーロ アルヘシラス

ティトアン シャウエン(1) シャウエン(2) シャウエン(3) フェズ(1) フェズ近郊 フェズ(2)

ラバト(1) ラバト(2) マラケシュ(2) エッサウィラ(1) エッサウィラ(2) カサブランカ(1) カサブランカ(2)

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