サウダーデ&ラビリンス〜Chefchaouen(1)

シャウエン

ティトアン1泊のみで、シャウエンに移動。ティトアンにいることがほとほと嫌になったためである。到着したシャウエンでは、ブルーと白のメディナやのんびりした雰囲気にすぐに気に入った。

2007/08/12(Sun:第10日)青いラビリンス<ティトアン 晴れ シャウエン 晴れ>

ティトアン9:55-(Grand Taxi)-11:15シャウエン(シャウエン観光)〜Hotel Boston
さらばティトアン
外がうるさく、結局寝過ごした。部屋に面している通りは、クルマの抜け道のようになっているようで、いつまでもうるさかった。しかし、窓を閉ざすと少しは静かになるものの、暑くてたまらないので、結局開け放したままである。朝食はついていないので、外に食べに行く。適当な店はなく、親父たちの集っているカフェで、「プチ・デジュネ?」と聞き、頷かれたので、座る。飲み物はミント茶(註1)にする。持ってこられたのはモロッコパンにチーズを挟みトーストにしたものであった。ミント茶はポットではなくグラスに注がれたもの。この時は、カメラを忘れてしまった。画像なし。料金は9.0DH(註1…The Menthe/Mint Tea。中国茶にミントの葉と砂糖を入れたお茶で、モロッコでのナショナルドリンク。)
チェックアウト。こんな宿なのに309DHとは、相当高い。なんといっても、トイレットペーパーと石鹸さえ置いていないのである。ティトアンの旧市街をもう一回まわってもいいかと考えたこともあったが、なんかこことは相性が悪いようだ。世界遺産に登録された旧市街だが、それほどのこともないと思った。
通りかかるプチタクシーをつかまえる。シャウエン行きのグランタクシー乗り場までと英語で伝える。メーターは4.9を示したが、荷物料込みということで、7.0DH払う。昨日乗ったプチタクシーもいささかぼったくりであったのだろう。
シャウエン行きの呼び込みをしているグランタクシーに乗り込む。30DHで、すでに前席には親子らしい男女と、後席には若い男性がひとり座っていた。従って、今回は中央の左側の席で、人に挟まれる格好となる。やがてあと2人集まり、タクシーは出発。
かなりの山道だが、ぐんぐん進んでいく。途中ドライバーは、突然クルマを止めて、道ばたに咲いていた植物をトランクに放り込んだ。山に迫った町が見え出す。シャウエンである。タクシーは、新市街のロータリー下に止まる。
キーフと安宿
荷物を受け取り、地図を見る。近くにいた若い男性が、ホテルならあそこと指さすのはHotel Boston。ガイドブックにも載っているところだ。いいところだという。ならば行ってみるか。ちなみに、この男性はシガレットを「吸うか?」と差し出すが、どうやらマリファナ(註2)らしかった。(註2…もちろん、モロッコでも禁止されているが、リフ山脈山麓部では長年キーフと呼ばれる大麻吸引の習慣があり、現在でもそれは続いている。)
教えられた宿に行ってみる。近いのがいい。部屋<下左、下左中>を見せてもらう。まだ前の客がチェックアウトしたあとらしく、内部は乱れていた。ここで宿の人が従業員を呼び、簡単に掃除。ベッドメイクもし、ある程度片づいた。部屋には小さいながらもバルコニー<下右中>がついていた。

ベッド 机、ここに荷物を置く ここに洗濯物を干す 屋上からの眺め

トイレとシャワーは共同で、トイレはアラブ式(註3)であった。屋上<上右>の眺めも見るように促され、出てみると、展望が素晴らしかった。ここにも部屋があり、ベッドを外に持ち出し寝ている連中もいた。ここに決める。(註3…しゃがんで用を足すトイレ。終わったあとは水で流す。セルフ水洗式。トルコや地中海沿岸のヨーロッパ諸国でもけっこう見かける。)
料金は1泊110DHで2泊分、220DHを前払いした。宿の主人はガイドブックによるとアメリカ国籍を持ち、ボストンに住んでいたらしいが、こちらの部屋に入り、「これはマリファナだ。吸うか?」ときく。もちろん断ったが、さらに丸薬のようなものも見せた。ファーロで南京虫にやられた腕はまだ腫れが残っている。その腕を見て、「どうした?」ともきかれた。そういう人に見えたのかどうか。
ともあれ、ロンリー・プラネットによるとリフ山脈に点在する町では現在も大麻を吸引する習慣があるという。ここ、シャウエンは正式にはシェフシャウエンという名称だが、モロッコ人はシャウエンと呼んでいる。バルコニーに洗濯物を干す。ただ、隣の部屋から簡単にこのバルコニーと部屋に侵入が可能なので、荷物には鍵をかけ危険回避。ようやく外出する。
青いラビリンス
新市街<下左>から旧市街へ。アイン門<下左中>より旧市街へ。壁に布<下右中>がかかり、雰囲気を盛り上げている。ここからメディナ<下右>である。噂には聞いていたが、建物の下半分から1/3くらいが薄いブルーに塗られている。ブルーの上は白である。

シャウエンの新市街から旧市街方面を メディナへの入口 絨毯やタペストリー メディナの路地

地図を見て歩くのは無視し、アイン門からはなるべく左方向に歩いてみる。途中魅力的な路地<下左、下左中、下右中>家屋<下右>があり、今までたまっていたフラストレーションを解消するように写真を撮りまくる。

ブルーの階段 観葉植物がアクセント 何気ない路地のひとつ 印象的な家屋

さらに歩く。メディナにある商店<下左>は実に小さなものが多い。話しかけてきた男性がいて、スペイン人観光客であった。東京などに行ったことがあるという。そのあと、壁に掛かる民族衣装<下左中>を撮っていたら、土産物屋につかまった。案の定絨毯屋で、一通りのデモンストレーションを見せてもらう。青はトゥアレグ族(註4)のものでインディゴ染め。黄色はベルベル人(註5)のものでサフラン染め。茶色はなんだったか。(註4…Tuareg。ベルベル人系の遊牧民。青いターバンや衣服が特徴で、ブルーマンという名称もある。)(註5…Berberes/Berber。モロッコの先住民族。モロッコではアラブ人もいるものの、ベルベル人やアラブとの混血も進んでいる。前国王ハッサン2世の妃のひとりはベルベル人であった。もともとはバーバリアンから来る名称。伝統的ベルベル人は顔に刺青を施す。)

メディナの商店 トゥアレグの衣装 ブルーが一番売れそう 水場

土産物屋を出る。一見スパイスのようにも見える粉<上右中>があり、尋ねてみると壁塗り用の塗料に混ぜるらしい。しばらく歩くと城外に出た。ここには泉<上右>があり、アイスクリームの屋台で3.0DHの一番小さいアイスクリーム<下左>を食べる。奥にある泉の霊廟<下左中>のようなものを見学し、ここから見える、丘の上の塔へ。

アイスクリーム 霊廟のようなところ シャウエンを俯瞰 丘の上の塔

山道。ここからはシャウエンの町<上右中>が一望できる。塔<上右>の上まで登ることもできたが、やめた。泉のところでもこの塔のあたりにも、自称ガイドのような男性がいた。やたらとトレッキングやツアーを持ちかけられる。

マクゼン広場 カスバ 野菜スープ トルティージャ

泉のところに戻り、別のルートを通って、旧市街の中心マクゼン広場<上左>に出た。ここにはカスバ<上左中>がある。ここにあるFuente Rabiaというレストランで、野菜スープ<上右中>スペイン風オムレツ<上右>(註6)、シディ・アリiの大ボトルをオーダー。29DH。ハリラを頼みたかったが、「今日はできない」とのこと。内装が素晴らしい。シャウエンはかつてスペイン領だったこともあるので、スペイン語が通じ、スペインの文化も残る。シャウエンのメディナもスペインだといえば、十分通じそうである。(註6…Tortilla。スペインでの厚焼き卵焼きの呼び方。メキシコではトルティージャはトウモロコシから作った主食となる。)
フェズへのチケット手配
水のボトルを宿に持ち帰る。少し休み、バスターミナル<下左>へ。急坂の下り道。シャウエンを発つ時、荷物を持ってここに行くとなると、かなりしんどいので、プチタクシーを使おうと決心する。CTMバスの予約をする。次はフェズ(註7)に行く予定なので、フェズ行きのチケットを取る。72DHで、14日の13:15の便。これなら、シャウエンの3日目も午前中観光できる。CTMはすべてコンピューター発券で、残席あと1というところであった。フェズにつくのがかなり遅くなりそうだったので、宿を予約しておくことにする。(註7…Fez/Fes。1000年以上も続くモロッコの古都。人口77万人。)

シャウエンのバスターミナル マクゼン広場 カフェでミント茶を しかし蜂が寄ってくる

バスターミナルでは、持参の海外対応携帯が使えなかったため、宿の近くのロータリー内の公園に移動して電話。駅前の宿をなんとか確保。その後、書店のようなところで、絵はがきを2枚購入。4.0DH。そのまま、再びマクゼン広場<上左中>まで行き、カフェでミント茶<上右中、上右>を飲みながら、手紙をこの旅で初めて書いた。このカフェも、ポットではなく、グラスである。甘い匂いになんと蜂が寄ってくる。グラスの下の小皿をグラスに被せる。料金は5.0DH
初タジン
宿に戻り、少し休んだあと、新市街のレストラン、Les Raisinsへ。パンとオリーブの実が運ばれる。シディ・アリ<下左>の大ボトル。モロカン・サラダ<下中>ケフタと卵のタジン<下右>をオーダー。サラダもタジン(註8)もうまかった。最後にコーヒーを頼む。ここでは、「カフェ・ソロ」で通じる。レストランの主人は旅行者と話し込んでいたが、それはスペイン語らしかった。この人は他にフランス語と英語が話せる。料金は65DH(註8…Le Tajine。円錐形の土鍋で蒸し煮にした料理。調理法、素材、使用する調味料や果物によって味は千差万別。かなりのバリエーションが楽しめる。)

水とパン、オリーブの実 トマトとピーマンのサラダ ケフタと卵のタジン

宿でシャワー。鍵を貸してくれるのかと思ったら、鍵を開けに来るのであった。まだ準備をしていなかったのでちょっと焦る。熱い湯は出なかった。だが、暑いのでこれで十分だ。<Next→メディナそぞろ歩き>

リスボン(1) リスボン(2) オビドス ラーゴス サグレス ファーロ アルヘシラス

ティトアン シャウエン(2) シャウエン(3) フェズ(1) フェズ近郊 フェズ(2) ラバト(1)

ラバト(2) マラケシュ(1) マラケシュ(2) エッサウィラ(1) エッサウィラ(2) カサブランカ(1) カサブランカ(2)

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