サウダーデ&ラビリンス〜Lagos

ラーゴスのマリーナ

いよいよ南に向かって出発。まず向かうところは、アルガルヴェのラーゴスであった。

2007/08/07(Tue:第5日)ピンチの時の民泊<リスボン 晴れ ラーゴス 晴れ>

リスボン・セッテ・リオスバスターミナル9:00-(RE)-13:25ラーゴス〜民泊
* RE=Rede Expressos社
南へ
この日はついに移動するので、ビュフェの朝食<下左>を多めに食べる。チェックアウトでは特に何もなく、いつものように地下鉄でジャルディン・ズロジゴへ。バスターミナルのモニターにはまだどこにバスが入ってくるか表示されていなかった。しばらくすると現れたので、そちらに移動する。やがてバスがやってきた。荷物を預け、チケットを提示して乗り込む。

ホリデイ・インの最後の朝食 4月25日橋 遙か彼方にクリスト・レイ

座席は運転手の後ろだった。だが、窓側にも女性がやってきて、並ぶことになった。やがて発車する。テージョ川にかかる4月25日橋<上中>を渡り、フロントガラス越しに、巨大なキリスト像、クリスト・レイ<上右>(註1)を撮影。ここを渡るとやがてアルマーダ(註2)。数名の乗客が乗り込む。(註1…Cristo Rei。テージョ川に面して立つ高さ110mのキリスト像。リオ・デ・ジャネイロのキリスト像を真似て、1959年に建てられた。登ることができる。)(註2…Almada。人口16.5万のセトゥーバル県にある都市。)

コルク樫の林 サービスエリアで休憩

座席を見渡すと、かなり空席があったので、指定席を放棄して、後ろのボックスに移る。バスはアルガルヴェ(註3)を目指して疾走。途中コルク樫<上左>(註4)の続く風景である。予定時間のちょうど中間あたりで、高速のサービスエリア<上右>で休憩があった。トイレに行っておく。このあと、トゥネス(註5)あたりで高速からはずれ、ひとつひとつの町に立ち寄っていく。(註3…Algarve。ポルトガル南部の地方。現在のファーロ県とほぼ同一。)(註4…コルクはコルク樫の樹皮を剥がして作られる。イベリア半島や北アフリカなどで生産が盛ん。リスボンから南下したり、エヴォラ方面に向かう時にコルク樫の植林が見られる。)(註5…Tunes。リスボン方面からラーゴスに向かう鉄道の分岐点。)
ピンチで民泊
ポルティマオン(註6)を過ぎラーゴスの表示が現れた。ラグーンに塩田なども見える。やがてラーゴスの新市街にあるバスターミナルに到着。荷物を受け取り、目をつけていた宿へ。しかし、「フル」とのことであった。(註6…Portimao。人口4万。ラーゴスに隣接する都市。)
では旧市街へ。どうもリゾート気分の観光客が目立つ。ちょっと嫌な感じがしたが、旧市街の中心ジル・エアネス広場<下左>(註7)で客引きにつかまった。老人一歩手前の男性だが、よく日焼けしている。連れて行かれたのは、カモンエス広場から鋭角に曲がった通りにある民家であった。(註7…Praca de Gil Eanes。ジル・エアネスは大航海時代の航海者でエンリケ航海王子の命を受けてカナリア諸島以南の探査を行った。この功績が後日の喜望峰ルートの開拓に繋がる。)

ジル・エアネス広場 民泊の部屋 窓から見える通り

部屋<上中>を見せてもらう。比較的清潔。シングルベッドとデスクくらいのシンプルな部屋で、大きな窓からは前の通り<上右>が見渡せる。トイレとシャワーはもちろん共同。客室に当たる部分は2階にあり、その下にここの家族が居住しているようである。地上階は何かの店舗が入っていた。これで1泊20ユーロとのことで、ディスカウント交渉したが、これは無理であった。そばの部屋はドイツ人が借りているらしいが、「ここだけの話だが、彼はもう少し高く払っている」とのことである。2泊するので、40ユーロ払った。
客引きはまたどこかへ去っていったが、ここの家族の母親らしい女性が残った。この人に釣り銭をもらう。だが、客引きと違いまったく英語は出来ない。とりあえず、荷物を整理し、他に誰もいないのを確認してから部屋に鍵をかけずシャワー室兼トイレで洗濯した。洗面台もここにしかないのである。ただし、冷蔵庫を自由に使っていいと言われた。水のボトルを冷やす。
ファティマの手ともあれ外出。鍵は出るまで持っていていいとのこと。もちろん、玄関の鍵も付いている。建物の外に出る。この入口だけは覚えておかなくては行けない。茶色のドアで、ファティマの手<右>(註8)が2つついている。向かいは衣料品店。(註8…ファティマは預言者ムハンマドの娘で、その子孫が後に正統カリフと認められることになる。そのファティマの手は護符として重用され、モロッコではドアノブなどに利用されている。アラブの支配を受けたことのあるポルトガルでも、ファティマの手が残っているところも多い。)
まずは調べもの
まずは、バスターミナルに向かう。ジル・エアネス広場には回転木馬<下左>などがあり、子供たちが遊んでいた。賑やかなところである。その途中のパステラリア(註9)でチーズバーガーとオレンジジュースの遅い昼食<下左中>。オレンジジュースは新鮮で美味かった。4.3ユーロ(註9…Pastelaria。菓子やケーキなども提供する店。)

回転木馬 バーガーとジュース ラーゴスのバスターミナル 運河の跳ね橋

再びバスターミナル<上右中>。ここでは、サグレス行きの時刻とファーロ方面の時刻を調べた。ここからスペインのセビーリャ(註10)までもバスが出ているが、本数は少なく、朝早い。次には駅へ。駅へは、運河を渡ったところにあるが、この橋が跳ね橋<上右>であった。ちょうどヨットが通りかかっている。(註10…Sevilla。人口70万。アンダルシアの中心都市で、大聖堂などが世界遺産に登録されている。)

ラーゴス旧駅 ファーロ行きの列車

駅の方向へ向かうと、アズレージョに飾られた瀟洒な建物が目に入るが、これは旧駅舎<上左>のようであった。ここまで線路が延びていない。その隣にガラス張りの駅があり、こちらが現役である。時刻を調べたが、ここから乗ってしまえばポルトガル・スペイン国境のヴィラ・レアル・デ・サント・アントニオ(註11)まで行くことができることを確認した。また、車両は電化されてなく、ディーゼルカー<上右>であった。(註11…Villa Real de Santo Antonio。人口1.8万のスペイン国境に面した都市。鉄道はここまで。)
コンパクトな都市
ある程度わかったので、観光開始。駅を出ると例のの客引きに出会った。ここまで客を探しに来ているらしい。運河の手前はたくさんのヨットが並び、マリーナ<下左>になっている。さすがに国際的観光地、アルガルヴェの中心である。跳ね橋を渡り、水路沿いに歩く。椰子の木が並ぶ通り<下左中>である。マリーナの手前とここにはツアーの客引きがずらっと並ぶ。イルカを見るツアーなどを催行しているらしい。

マリーナ ツアーの客引き多し 旧奴隷市場 サンタ・マリア教会

ラーゴスの街じたいは小さい。旧市街だけでも、かつての奴隷市場跡<上右中>サンタ・マリア教会<上右>、博物館くらいである。一通りまわってみるが、まあそんなものかと思う。奴隷市場跡は現在ギャラリーになっているらしい。サンタ・マリア教会にはかつてエンリケ航海王子の棺が安置されていたらしいが、現在はバターリャの修道院に移されている。内部<下左>はステンドグラスが奇麗である。ここから出ると、物乞いがいた。入ってみたいなと思ったサント・アントニオ教会<下左中>は扉を閉ざしていた。

サンタ・マリア教会の祭壇 サント・アントニオ教会 バンデイラ岬要塞 岬のビーチ

通りを渡り、バンデイラ岬要塞<上右中>へ。入場料が必要で、中に入ってもあまり大したことはあるまいと思い、パスして岬の方へ。小さいものの、ビーチ<上右>があり、かなりの人が海水浴をしていた。
再び旧市街へ。旧市街の不動産屋のようなところで、キャップが山積みになっていて、無料でもらえるようなので、もらってきた。確かに、リスボンとは比較にならない暑さである。ミネラルウォーターのボトルとコーラをスーパーで購入して、宿に戻り冷蔵庫で冷やす。
カタプラーナ鍋とパフォーマンスのレストラン
部屋に干しておいたシャツ類はほぼ乾いていた。これで安心して洗濯ができる。夕方まで休み、夕食は目をつけておいた、Sao Goncaloへ。ミネラルウォーターと、アルガルヴェの赤ワイン。野菜スープ(註12)カタプラーナ(註13)という鍋料理があったので、オーダーする。カタプラーナは独特の鍋で海産物から野菜やソーセージなどをごった煮にした、アルガルヴェの料理である。(註12…Sopa de Legumes。)(註13…Cataplana。取っ手と蓋付きの鍋のことで、それで調理した料理も指す。魚や野菜、ソーセージ類をトマト味で煮込んだもの。)
パンと前菜が運ばれる。また、黄色いシャンパンのようなものも、ウェルカムドリンク<下左>なのか運ばれる。また、ソーセージ<下左中>も運ばれ、これにウェイターが直接火をつける。火はなかなか消えず、かなりの熱々が味わえる。アルガルヴェのワイン<下右中>は比較的重い感じである。

シャンパン 火をつけられたソーセージ ワイン 野菜スープ

野菜スープ<上右>はすべてをミキサーにかけたような感じで、どろっとしている。カタプラーナ<下左、下左中>はかなり量が多かった。イワシが丸ごと入っていた。まあ美味しかったが。このようなリゾート地では、食事時間が早い。たいてい日本の夕食時間あたりを狙ってやって来るのだが、やがて満席となった。ウェイターひとりではかなり忙しそうである。ここでは、ステーキが名物らしく、注文があると、調理場ではなく客の近くに鉄板を持ち出し、炎を上げて調理する。これもまた、パフォーマンスのひとつだろうか。

カタプラーナ鍋 イワシ入り アイスクリームのようなプリン もちろんエスプレッソ

結局、プリン<上右中>をデザートにし、コーヒー<上右>も頼んだ。24.6ユーロしたが、カード払いとする。店を出るとまだまだかなりの人出である。部屋にいても、外の喧噪が伝わってくる。ギターを抱え路上のライヴをやる連中もいるようだった。<Next→さいはての岬>

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