サウダーデ&ラビリンス〜Chefchaouen(3)

シャウエンのレストラン看板

いよいよ、シャウエンを発つ時がやってきた。午前中は時間があるので、メディナ歩きをする。午後バスターミナルからフェズに向かって出発する予定だったものの、なんとバスが予想外の遅れ。フェズは泊まるだけとなった。

2007/08/14(Tue:第12日)さらばシャウエン、だがバスは来ない<シャウエン 晴れ フェズ 晴れ>

シャウエン15:45-(CTM)-20:00フェズ〜Hotel Ibis Mousafir Fez★★★
* CTM=Compagnie de Transport Marocains-Lignes Nationales、CTM国営バス
ゆっくりしよう
シャウエンはよく眠ることが出来る。朝は昨日の隣のカフェで、同じような朝食<下左>を食べる。値段も同じだが、ここは店内にテレビがなく、ちょっと落ち着いた雰囲気。料金は昨日の店と同じく10DHである。宿に戻り、チェックアウトの時間を確認しようとするが、主人の息子のような若い男性は不寝番をした明けの顔つきで、聞いたもののどこかへ行ってしまった。その様子を見ていた向かいのカフェにいた葉っぱ好きな主人が、教えてくれた。12:00までとのこと。

カフェの朝食 手紙を書きつつミント茶 ドアのノッカー 塗料として使う

今日はチェックアウトまでゆっくりメディナで過ごすことにする。写真はどうでも良い。昨日買った絵はがきを、カフェで5.0DHミント茶<上左中>を飲みながら書く。やはり、蜂がたかってくるが、夕刻よりは少ないか。そのあと、旧市街をぐるりと一回り。家屋のドア<上右中>を観察したり、以前訪れたところを再び歩いたり。色鮮やかなパウダー<上右>があったが、やはり漆喰に混ぜて使うもののようである。ゆっくりと宿に戻り、荷物を作り直して、昼前にチェックアウト。宿の人と握手して別れる。宿の前が、グランタクシー乗り場。プチタクシーは常駐していないが、少し歩くと、前からやって来て、手を止めて乗り込む。バスターミナルまでは5.0DH
やって来ないバス
CTMのカウンターで荷物を預ける。荷物料金のチケットは作ってくれたが、預かろうとしない。傍らの旅行者が「自分で持って行くんだよ」と教えてくれた。前回の旅行では、CTMバスを3回利用し、いずれも、荷物代を払ったあとは、荷物を預かってくれて、バスまでは係が運んでくれたのだが。料金は5.0DHであった。
荷物から解放されて、ゆっくり昼食を取るつもりであったのだが、計算が狂った。これでは民営バスと同じである。唯一の違いは、席まで案内するとか荷物を運ぶ正体不明の人物に不当な料金を払わずにすむことくらいである。
昼食は、バスターミナルの売店で、サンドイッチ<下左>を購入。サンドイッチといっても、その場で作るタイプである。しかし、場所柄なのかちょっと高く、20DHする。かなり塩がふられていて、ピクルスのような酸っぱい野菜が入る。ただし、満腹にはなった。

昼食 ひたすら待った

しかし、時間が過ぎてもバスは来ない。これはよくあることだと思い、荷物を持ってバスの止まりそうなあたりで待機するが、やはり来ない。民営バス<上右>ならたまに来るのだが…。途中フランス人の女性ツーリストに「あなたもフェズに行くのですか?」ときかれる。やはりなかなか来ないので、やきもきしている模様。やがてバスが現れるが、これはタンジェ行き。慌てて荷物を持って駆け寄るが、あしらわれる。結局バスが来たのは、2時間半過ぎた頃である。
席がない
荷物を荷室に入れてもらい、バスに乗り込む。席はめちゃくちゃで、空席かと思ったら、すでに人がいたりした。指定席は、ここシャウエンから乗り込む客は完全に無視したようである。いったん座ったことは座ったのだが、席を見つけられないフランス人のカップルに譲り、前の空席へ。だが、ここはすでに客がいた。休憩から戻ってきた人にどかされることとなった。見回すが空席がない。フランス人のカップルの女性の方が助け船を出してくれた。フランス語だったが、「わからない」というと英語で話す。「ドライバーにいえば席を作ってくれるはずよ」とのこと。訴えると、運転手は係を呼び、座席のチェックおよび、全員のチケットを確認する。CTMは、全席指定なので、こんなことが起こることはないのである。
結局わかったのは、最前列にいた助手と思われる男が、客席にいたためで、係はひどく憤慨していた。ただでさえ遅れているだけでなく、このためにさらに10分くらいかかったほどである。
最前列の席<下左>へ。頭上の荷物入れはすでにふさがっていて、足下に荷物を置く。それにしても解せないのは、このバスの異様な遅れ方である。始発はおそらく、タンジェでティトアンを経由するものだ。CTMバスは民営バスのように、荷物係は乗らず、もちろん助手もいないはずである。運転手はかなりの年輩で、終始慎重な運転である。ギアもほとんど変えることもなく、山道をトロトロ進んでいく。これは推測だが、バスの事故等でバスをチェンジした。運転手も交代したため、やりくりに困り、引退状態の者をピンチヒッターに立てたが、ナビの助手が必要だったなどと考えた。助手のような存在の男性は、両手の指をまっすぐ伸ばせず、これでは荷物を扱うことも出来ない。まったくなんのために乗っているのかわからなかった。

シャウエン−ウェザーン間の山道 途中の休憩

山道をようやく下りきり、ウェザーン<上右>(註1)という町で休憩。トイレを借り、紙パックのモモジュースを購入。わずか5.0DHだが、とても美味かった。(註1…Ouezzane。)
ちんたらCTM
バスは再び、山道へ。モロッコでは町の入口と出口に警官が配置され、クルマのチェックを行っている。ほとんどはそのまま行ってよいのだが、たまに止められるクルマもある。これに、なんとこの運転手は引っかかった。ようやく戻ってきた運転手だが、助手とおしゃべりばかりしていて、ゆっくり走っているクルマもなかなか抜けない。
なんとかメクネス(註2)とフェズの表示が出てくる。近いと思ったが、フェズの新市街に入ると、もう真っ暗であった。CTMバスの荷物は、係によって搬出されるはずだが、ここでもセルフであった。(註2…Meknes。人口68万人。モロッコの古都。)
客待ちしていたタクシーと称する軽ワゴンに乗り込む。すると、かなりの荷物を運ばせ、同乗してきたのはあの助手であった。宿の名前を告げると「コンプレ」といわれる。「予約しているので大丈夫」というが。
予約取り消しか
駅前にある、イビス(註3)という、フランス資本の系列ホテルへ。タクシーの料金はなんと40DHもした。完全なぼったくり。普通の赤いプチタクシーは、もちろんメーターを使う。せいぜい10DH程度だろう。(註3…Hotel Ibis Moussafir。フランス系資本のチェーンホテル。モロッコではほとんど駅前にある。)
レセプションに出向き、名前を告げる。すると、「19:00までに連絡がなかったので、キャンセルとなった」といわれた。今更別のところに行くのも身体が拒否している。それが伝わったのか、係はそこのソファで待つように告げた。

もらえた部屋 シャワー トイレ

結局部屋<上左>はもらうことが出来た。ツインの部屋だが、ここに4泊。2188DHの料金はカードで払った。ここは系列ホテルなので、勝手はわかっている。カサブランカで泊まったこともある。ベッドは二つ。衛生的だが、バスタブはなくシャワー<上中>のみ。トイレ<上右>は洋式。ビデはない。テレビはあるが、冷蔵庫はない。エアコン付きである。

右の水を購入 カサブランカの小瓶

この日は外で食事をするのがめんどくさくなってしまった。ただし、ミネラルウォーター<上左>だけは買った。宿のレストランに行き、イカのタジンを頼む。また、ビールがあったので、今日くらいは飲んでもいいだろうと判断して、カサブランカ<上中>(註4)の小瓶を追加した。イカのタジン<上右>は、輪切りにして煮込んだものを普通の平皿によそい直して持ってきた。なんだか、地中海料理みたいでもある。それにしてもどっと疲れた。(註4…Casablanca。モロッコ国産のビールのひとつ。)<Next→世界一の迷宮を歩く>

リスボン(1) リスボン(2) オビドス ラーゴス サグレス ファーロ アルヘシラス

ティトアン シャウエン(1) シャウエン(2) フェズ(1) フェズ近郊 フェズ(2) ラバト(1)

ラバト(2) マラケシュ(1) マラケシュ(2) エッサウィラ(1) エッサウィラ(2) カサブランカ(1) カサブランカ(2)

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