サウダーデ&ラビリンス〜Lisbon(1)

ロシオ広場

まずは、深夜便のエールフランスでパリへ。その後乗り継いでリスボン入り。初日は長い1日となった。

2007/08/03-04(Fri/Sat:第1〜2日)深夜便でリスボン入り<成田 晴れ パリ 晴れ リスボン 晴れ>

リスボン市内観光(サンタ・ジュスタのエレベーター、アルファマ地区)
成田国際空港21:55-(AF277)-*04:15パリ・シャルル・ド・ゴール国際空港7:20-(AF1024)-8:55リスボン国際空港〜Holiday Inn Lisbon★★★★
* 翌日着
お酒は買えません
カレー成田の民間駐車場には、19:00前に到着。ちょっと早いがまあいい。今回利用するのは、エールフランスの深夜便。リスボンiin、カサブランカoutということで、接続の便利なAFを旅行会社で勧められたのだ。いささか料金は高かったが、目的にかなったものだったので、そこは目をつぶった。e-ticketなので、すんなりとチェックイン。その後、念のために円のトラベラーズチェックを作り、空港のレストランで軽くカレー<右>の食事。これが夕食となる。
さっさと出国手続きを終え、免税店へ。いつものようにスコッチのペットボトルを購入しようとしたら、いったんフランスで入国扱いとなるためか、内容量が100mlを越えてしまうために機内持ち込みが出来ず、売ることが出来ないとのことであった。なんとかならんかこの制度(註1)(註1…2007年3月より施行された新航空法により、機内への液体の持ち込みが100mlまでに制限されたもの。免税の酒などは素通しの袋に入れてくれ、機内で飲まない限り持ち込めるが、今回のように別のターミナルから乗り継ぐ場合には適用されないらしい。)
未明のシャルル・ド・ゴールへ
機材は、ボーイング777-300ERという最新機種。中央の左通路側。出発は10分遅れたが、これは、シャルル・ド・ゴールの業務開始時間にあわすためだったらしい。最初の機内食<下左>が出たのは、離陸から2時間ほどたった頃で、鶏肉とご飯の和食を選ぶ。ついでに赤ワインもいただく。AFは、ビールやソフトドリンクは250ml缶とケチっているものの、ワインに関してはボトルでくれるので嬉しい。

鶏の和食 到着前の軽食

その後持ち込んだMP3プレイヤーで音楽を聴くが、その後は泥のように眠った。それにしても、シートが高く足が圧迫される。フットレストがあったことに気づいたのは、シャルル・ド・ゴールに到着する直前であった。かなりむくむ。途中セルフで飲み物やサンドイッチ、カップ麺なども用意されていたのだが、眠り込んでいてこれは食べない。シャルル・ド・ゴール到着前に、ハムやチーズ中心の軽食<上右>が出た。シャルル・ド・ゴール<下左>到着は定刻であった。

シャルル・ド・ゴール到着 外に出て風に当たる

AF277便は未明のパリに到着。案内に従って移動。ここでいったん入国審査を受ける。リスボン行きは2Dターミナルだが、かなり歩かされる。だが、ゲートは閉まっていて、その前でぽつぽつと人が集まっている感じである。建物の外に出てみる。ちょこっとフランス入国<上右>。ようやくゲートに係がやってきて、ゆっくりと業務が始まる。入ってみたが、いくつかある店などはほとんどやっていない。時間を潰すのに困った。
リスボンへ
AF1024便は、時間通り離陸<下左>。すぐに軽食<下中>が出る。ありがたく朝食としていただき、その後はやはりぐっすりと眠る。気づくと機体は降下を始めていた。久しぶりのリスボン(註2)。首都というのに小さな空港で、建物と機体は直結されず、タラップ<下右>を降りてバス移動。しかし、荷物がなかなか出なかった。ヤンゴンの空港(註3)よりも遅いくらいである。(註2…Lisboaというのがポルトガル語での名称。ポルトガルの首都。人口56万人だが、大リスボン圏では266万人を数える。)(註3…ミンガラドン国際空港。ともかく荷物の出るのが遅い。1時間以上かかった。)

すでに陽が昇っている シンプル・ブレックファスト 沖止めでバス移動

宿はあらかじめ予約してあった。このユーロ高で、以前3000円くらいで泊まれたところが、グレードアップもしたのだろうが、同じアップルワールドで7000〜8000円もする。ここで出てきたのが、ホリデイ・インである。同じ値段ならば、より名前の通ったところにしようと思った。
リスボンにはホリデイ・インが2ヶ所あり、Holiday Inn ContinentalとHoliday Inn Lisbonで、その後のバス移動に便利そうな後者にしたのである。しかし、最新のガイドブックを購入してみると、サルダーニャ(註4)にあったアルコ・ド・セゴバスターミナルは、セッテ・リオス(註5)というところに移転したとあり、ここでなくてもよかったのだが。 (註4…Saldanha。地下鉄駅あり。かつては、この近くのアルコ・ド・セゴバスターミナルからポルトガル各地へのバスが発車していたが、2004年に廃止。)(註5…Sete-Rios。地下鉄ジャルディン・ズロジゴ駅とポルトガル国鉄セッテ・リオス駅に隣接する新バスターミナル。2004年オープン。)
また、リスボンの空港には空港バスがあり、この乗車券がCarris(註6)という、リスボンのバス、市電、ケーブルカーなどを運行する会社の1日乗車券も兼ねているとのことだったが、サルダーニャに着いてから、徒歩で重い荷物を担いで宿のありかを捜すのも面倒だと思い、日和ってタクシーのバウチャーを購入した。18.45ユーロで、宿まで行ってくれる。ただし、このタクシーは街中を流すタクシーと違い、専用車である。 (註6…リスボンのバス、市電、ケーブルカー、エレベーターを運行している会社。)
最新のメルセデス。乗り心地は上々。ドライバーは、「仕事?」とか、「このあとはどこに?」などときいてきて、信号待ちの合間に名刺をくれた。電話でも駆けつけるとのこと。

十分すぎるベッド デスクや冷蔵庫 いつでもコーヒーが飲める シャワールーム

さて、宿に到着。バウチャーによれば、チェックイン時間よりもだいぶ早いが、そうなったら荷物を預かってもらうだけである。そして、バウチャーを見せると、女性の係はチェックイン時間のことを呟いていたが、カードキイをもらうことが出来た。ラッキー。部屋<上左、上左中>は、ダブルベッドに冷蔵庫付き。湯沸かし<上右中>があり、インスタントのコーヒーとティーバッグが置いてあった。シャワールーム<上右>にはビデもあった。荷物整理をしてシャワーを浴びる。さてこのあとどうするか。
何やってんだか
とりあえず、ミネラルウォーターでも仕入れようと、外に出る。宿の前には巨大なモニュメント<下左>があった。だが、スーパーなどが見つからず、緩い坂を下っていくと、地下鉄(註7)サルダーニャ駅<下左中>まで出たので、ここで、セッテ・コリナーシュ<下右中>(註8)という、1日乗車券を購入。3.85ユーロだが、デポジットの0.5ユーロを含む。デポジットがあるように、これはチャージ可能。(註7…Metropolitano。リスボンの地下鉄は4路線あり、それぞれAzul/青、Amarela/黄、Verde/緑、Vermelha/赤と路線図では色分けされている。同じゾーン内では乗り換えても均一料金。)(註8…Sete Colinas。地下鉄、バス、ケーブルカー、市電、サンタ・ジュスタのエレベーターが利用可能。センサーにタッチする、SUICAやPasmoと同じタイプ。とはいえ、紙で出来ている。)

宿前のモニュメント サルダーニャ駅 セッテ・コリナーシュ レスタウラドーレス

結局そのまま、マルケス・デ・ポンバル(註9)で乗り換え、観光案内所のある、レスタウラドーレス<上右>(註10)まで出た。ここでようやく一眼レフを使う。近くのケーブルカー(註11)を撮影しようとしたが、グロリア線は運休中で、反対側にあるラヴラ線まで行く。ちょうどケーブルカー<下左、下左中、下右中>が止まっていて、下から見上げるだけでなく、上下の線がすれ違うポイント近くまで行き、撮影した。(註9…Marques de Ponbal。リスボン大地震を立て直したポンバル侯爵から取られている。アズーロ線とアマレーラ線の接続駅。近くにハポンバル侯爵の像が建つ。)(註10…Restauradores。ロシオ駅に近く近くのフォス宮には観光案内所がある。)(註11…Ascenxor。リスボンは高低差のある都市で3つのケーブルカーが運行されている。Gloria線、Lavra線、Bica線である。)

ケープルカー、ラヴラ線 ラヴラ線のすれ違い 坂を下るラヴラ線 有名ブランドのLuso

このあと、遅い昼食を食べようとしたが、スーパーを見つけ、ミネラルウォーター<上右>(註12)の大小を購入。両方で1.4ユーロ。袋をくれないことをいうと、これは有料で0.02ユーロする。結局重いので、いったん宿に戻って出直す。(註12…Agua Mineral。ガス入りガスなしは、com gaz/sem gaz。Lusoというブランドがポルトガルでは有名。)

パンとオリーブ ワインとミネラルウォーター 魚のスープ 鮭のグリル、大量の野菜付き

同じく、レスタウラドーレス。休業中のロシオ駅近く、先ほどのスーパーそばのLeao Douroというレストラン。ツーリストメニューがあったが、入ってみると、壁中にアズレージョのある重厚な雰囲気のところであった。パン<上左>とバターは有料(註13)。オリーブも出された。ハウスワイン<上左中>をハーフボトル。そして、ミネラルウォーター。魚のスープ<上右中>(註14)鮭のグリル<上右>(註15)をオーダー。軽く食べるつもりで、これにしたが、鮭はともかく大量の野菜が付いた。そう、ポルトガル料理はつけ合わせもたくさんなのである。大食いの国ということを忘れていた。胃袋はまだ日本仕様のままである。(註13…ポルトガルではたいていのレストランでは前菜とパンなどはチャージされる。食べない場合は「いらない」と断るか、あとで「食べていない」と自己申告すること。)(註14…Sopa de Peixe。)(註15…Salmao Grelhado。)
これで、20.42ユーロ。50ユーロ札と2セントコインで支払うと、20ユーロと5ユーロ札に加え、あとはすべて1ユーロ未満のコインを持ってこられた。頭に来たので、チップは残さずにそそくさと店を出る。
サンタ・ジュスタのエレベーター
さて、ようやく本格的に観光開始。まずはサンタ・ジュスタのエレベーター<下左>(註16)へ。これも、セッテ・コリナーシュで乗ることができる。しばらく並んでいたものの、エレベーターに入ってみると、全員座れるくらいしか乗せない。上に着いて、螺旋階段を登って、カフェ兼展望台へ。ここから、サン・ジョルジュ城<下左中>(註17)やアルファマを眺める。ロシオ広場<下右中>(註18)テージョ川<下右>(註19)もよく見えた。(註16…Elevador de Santa Justa。1902年建造。バイシャ地区と高台のバイロ・アルト地区を結ぶれっきとした交通機関である。)(註17…Castelo de Sao Jorge。もともとはローマ時代の要塞。数年前から有料になった。沢木耕太郎が拾った新聞の片隅にあった船の動静欄からロンドンへ行くのをやめて、船で帰国しようかと一瞬思った場所でもある。)(註18…Rossio。正式名はドン・ペドロ4世広場。広場のモニュメント上にはブラジル初代国王となったドン・ペドロ4世の像がある。)(註19…Rio Tejo。全長1008kmのイベリア半島最長の河川。リスボン近郊では巨大な河口となり、まるで海のように見える。)

サンタ・ジュスタのエレベーター サン・ジョルジュ城 ロシオ広場 遠くにテージョ川

このエレベーターは、バイシャ地区(註20)バイロ・アルト地区(註21)を結ぶれっきとした便利な乗り物なのだが、かつて訪れた2000年の時には安全上の問題から、連絡通路<下左>が閉ざされ、バイロ・アルト地区へは行けないようになっていた。だが、いつの間にかこの問題が解決したのだろうか、行き来可能になっていた。そのまま、バイロ・アルト地区へ。(註20…Baixa。「低い土地」を意味する。)(註21…Bairro Alto。「高い地区」を意味する。)

連絡通路 カルモ教会 ペソア像 市電の運転手

カルモ教会<上左中>(註22)の外観などを眺め、ポルトガルの詩人ペソア<上右中>(註23)の像があるカモンエス広場へ。ここから市電28番に乗って、アルファマ地区(註24)へ。市電も、セッテ・コリナーシュが使える。かつてCarrisの1日乗車券は最初の改札を通すだけで、あとは、見せるだけでよかったのだが、地下鉄にも自動改札が設けられ、すべて香港のオクトパスのように、センサーにタッチするようになった。市電の運転手<上右>脇にもこのセンサーが設けられていた。(註22…Igreja do Carmo。1755年のリスボン大地震で倒壊していて、そのままの姿で残されている。)(註23…Fernando Antonio Nogueira de Seabra Pessoa。1888-1935。ポルトガルの詩人・作家。)(註24…Alfama。「Al」で始まる言葉はアラビア語起源であるようにイスラム色を強く残した地域。)
アルファマ
市電28番は起伏も多く、かなり狭い通りも疾走するように走る。乗っていても面白い。運転手が「カステッロ!」と叫び、大半の観光客がサン・ジョルジュ城の近くで降りる。自分もそうする。だが、反対側の展望台に行き、テージョ川<下左>を望む。その後、サン・ジョルジュ城の入口近くまで行ったが、入場はせず。いつの間にか有料になったようである。そのかわり、アルファマ名物の洗濯物<下左中>などを撮影。

テージョ川 アルファマの洗濯物 カテドラル カテドラルのバラ窓

歩いて坂を下り、カテドラル<上右中>(註25)へ。内部のバラ窓<上右>が奇麗である。その後、市電の写真などを撮り、歩いてロシオ広場へ。途中アウグスタ通りの大道芸人<下左>などを眺める。(註25…Se。)
結局はギブアップ

大道芸人 紙パックワイン サラミ クラッカー

これだけでも疲れてしまい、またスーパーを覗くと、夕食まで観光を続けていく気力がなくなってきたため、宿の部屋でも食べられる食材<上左中、上右中、上右>を購入。戻って部屋で食べた。紙パックながら、赤ワインがなかなかのレベルであった。サラミもなかなかで、たまには悪くない。<Next→ベレン観光>

リスボン(2) オビドス ラーゴス サグレス ファーロ アルヘシラス ティトアン
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