サウダーデ&ラビリンス〜Faro

ファーロのラグーン

ラーゴスからアルガルヴェの中心、ファーロへ。ラーゴスと異なり、落ち着いた感のあるいい都市であった。

2007/08/09(Thu:第7日)人骨とラグーン<ラーゴス 晴れ ファーロ 晴れ>

ラーゴス駅9:46-(CP)-11:27ファーロ駅〜Residencial Algarve★★★
* CP=Comboios de Portugal、ポルトガル鉄道
たたき出されファーロへ
前の晩は3時くらいまで外が騒がしくあまり眠れなかった。そのために、またもや起きるのが遅くなった。トイレをすまし、朝食でも食べにいこうかと思っていたら、宿の婆さんが顔を出し、「早く出ていってくれ」みたいなことを言った。この婆さんは、外が明るい時部屋の電気を消してまわるくらいの、倹約家である。まったく、歯も磨かず顔も洗っていない状態で、荷造りして追い出される形となった。後味悪し。
まだ静かなメインストリートを駅に向かう。ここからファーロ(註1)まではやはり鉄道で行くことにした。まだ時間があるので、3日連続で同じパステラリアに顔を出す。カフェオレとビッファーナ<下左>(註2)という豚肉を挟んだサンドイッチである。これにはたっぷりマスタードを塗って食べる。朝から肉だが、これは美味かった。2.8ユーロ(註1…Faro。アルガルヴェの中心都市。人口5.8万人。国際空港があり、ヨーロッパ各地からリゾート客がやってくる。)(註2…Bifana。薄焼きの豚肉のサンドイッチ。)

ビッファーナとカフェオレ ファーロ行き列車 2等内部

跳ね橋を渡り、駅へ。窓口はひとつで列が出来ている。ファーロまで6.4ユーロ。すでに入線している3両だけのディーゼルカー<上中>に乗り込む。車内<上右>は4人掛けと6人掛けのボックス席が通路を挟んでいる。海側の6人掛けを独占。だが、乗客はまばらでわざわざ見知らぬ旅行者の席に割り込んでくる人はいない。発車して隣の駅を過ぎると検札が始まる。ポルトガル鉄道(註3)は比較的きっちりと検札を行う。だが、担当の車掌ははじめ携帯にかかってきた電話に夢中だったのか、自分に対して2回目の検札を行おうとした。(註3…Combois de Portugal。かつては国営であったが、民営分割化された。)
ゆっくりとディーゼルは進む。途中のトゥネスからファーロまでは電化されているが、これは、リスボン方面から来る直通列車のためであろう。ラーゴス−ファーロ間の列車には関係ないことである。途中駅にはアズレージョ<下左>なども見かけることができる。

途中駅のアズレージョ ファーロに到着

ファーロ駅<上右>に到着。ここが終着らしい。しかし、さらに乗り換えて国境を目指しそうなツーリストもちらほら。乗り換える列車はこれまで乗ってきたのとほとんど変わらない、ステンレスボディのディーゼルカーである。
まともな宿を確保
とりあえずガイドブックに載っていた駅から一番近い宿へ。徒歩5分程度。その宿、Residencial Algarveは、最初「シングルはもういっぱい」とのことだったが、ツイン利用でその分の料金を払うことでOKとなった。1泊70ユーロは正直辛いが、部屋も見せてもらい泊まることに決めた。

ベッドルーム シャワールーム

シングルベッドの2つ並ぶツインルーム<上左、上右>。冷蔵庫はなかったが、エアコンが付いていた。感じも明るく、朝食がつく。駅前だが、前の通りが繁華街ではないので、ラーゴスのように騒音に悩まされることもないだろう。適当に荷物整理し、歯磨きと洗濯をすますと外出する。
まずは再び駅へ。国境のヴィラ・レアル・デ・サント・アントニオまでの時刻を調べる。次はバスターミナルへ。ここでは、セビーリャ行きのバスがあることがわかったものの、リスボンのように簡単に時刻は調べられず、時刻表も貼りだしていなかった。やはり列車である。
マリーナとラグーン
ここから少し歩くとマリーナ<下左>に出る。ラーゴスのようにヨットが係留されたものではなく、モーターボートやもう少し大きいものがある程度。しかし、びっしりと船が並ぶ様は壮観である。マリーナには降りていけず、引き返そうとすると、線路に踏切<下左中>があり、その向こうにラグーン<下右中>が広がっているのがわかった。踏切を渡り、ラグーンの写真を数枚撮る。

ファーロのラグーン 踏切 ファーロのラグーン 軽食を昼食に

昼食<上右>はマリーナの前のカフェで、トーストとコーラのセットを頼む。3.85ユーロ。この店で、どうしても自販機などで弾かれてしまう、5セント硬貨を使う。そういう金銭の渡し方では、ここも釣り銭の計算に悩んでいたようである。
旧市街と塩田
ドン・フランシスコ・ゴメス広場<下左>からアルコ・ダ・ヴィラ<下左中>へ。ドン・フランシスコ・ゴメス広場にはオベリスクのようなモニュメントが建っている。観光案内所で地図をもらう。ガイドブックのものとあまり変わりがなく、ほとんど使うことはなかった。そのまま、近くのアルコ・ダ・ヴィラから旧市街に入場。ただし、ファーロの旧市街は、この狭い門からクルマが出入りする。

新市街の中心部 アルコ・ダ・ヴィラ ファーロ市庁舎 ファーロのカテドラル

市庁舎<上右中>前のカテドラル<上右>は改修工事中で内部には入れない。外観を眺めて、旧市街散策。その後城外<下左>に出る。非常にコンパクトな旧市街である。地図に、町はずれにある線路の向こう側に塩田<下中>があると記載があることから、行ってみることにした。ちょっと歩くものの、わかりやすかった。

旧市街の城壁 ファーロの塩田 ロマの住居か

踏切を渡ると、工場などがある一帯となり、その合間にはプレハブやバラックの住宅<上右>が並んでいた。キャンピングカーもある。すすけたような野良犬でない飼い犬がちらほら。住民の姿はあまり見かけないが、どうもこれはロマの居住する地域ではなかろうかと感じた。何しろ、アズレージョとかポルトガルを感じさせるものが何もない。塩田はあまり整備されてなく、奇麗ではなかった。作業をしている人もいない。はっきりいって、リスボンから来る途中ポルティマオンで見かけた塩田の方が美しい。
人骨教会

サン・ペドロ教会 サン・ペドロ教会のステンドグラス サン・ペドロ教会の祭壇 聖ペドロの人形

塩田から歩いて、サン・ペドロ教会<上左>へ。ステンドグラス<上左中>が奇麗である。内部<上右中>は明るく、聖ペドロ<上右>らしい人形を安置しているガラスケースもあった。次は、カルモ教会。ただし、丸みを帯びた別の教会<下左>のファサードを見かけて、こちらに行ってしまう。地図を見直して、本物のカルモ教会<下左中>へ。ここも内部<下右中>はアズレージョの装飾があり、ポルトガルの教会だと感じるが、さらに奥には人骨堂<下右>があるのだ。入場料1.0ユーロ

はじめカルモ教会だと思った別の教会 カルモ教会 カルモ教会の祭壇 カルモ教会の人骨堂

いったん室外に出る。人骨堂<下左、下中、下右>はまさに骸骨と手足の骨だらけ。エヴォラ(註4)のサンフランシスコ教会の人骨堂の方が規模が大きく見応えがある。だが、ここにはけっこう時間を要した。(註4…Evora。アレンテージョ地方の中心都市。人口5.6万人。旧市街が世界遺産に登録されている。)

人骨だらけ 枠以外はすべて人骨 これだけ並ぶと壮観

カルモ教会を出て、近くのスーパーで1500mlのミネラルウォーターを購入。今までで一番安く、0.2ユーロである。宿に戻って少し休む。しかし、起きると手足が虫に刺されていた。どうも南京虫らしく、もしかしたら塩田あたりで拾ってきたもののようだ。動物と接触したわけではないのに、なんてこった。薬を付けるが効きそうもない。
ラグーンの夕景
夕刻になったが、まだまだ外は明るい。このあたりの日没は20:00を遙かに超える。夕日を撮すのはかなり難しい。だが、そのまま旧市街に再び向かった。やはり夕刻はラグーン<下左>で迎えたい。踏切を渡ると、たくさんの人たちが戯れている。ここからラグーン巡りの観光船<下左中>が発着しているようである。また、上空が騒がしいと思ったら、ちょうどラグーンの向こうにある空港へ航空機<下右中>が降りていくところなのであった。国際リゾート地、アルガルヴェの空の玄関というところか。ただし、街の雰囲気から察するとそれほど観光客はいないようである。頑張ればもっと安い宿も見つかったであろう。

夕刻のラグーン ラグーン巡りの観光船 ラグーンと航空機 養殖用の籠

なかなか雰囲気のあるところ。ちょうど桟橋のようになっていて、観光船の他には漁師が船上で網の繕いを行っていた。桟橋はもう一つあり、壊れかけていたが、貝の養殖に使うらしい籠<上右>のようなものもあった。ラグーンは潮の香りはしないが、籠は磯の香りが漂う。

国境方面からの列車 国境方面への列車 ラグーンの夕景 ラグーンと漁船

やがて、国境方面から列車<上左>がやってきた。これを撮すと、ドアから身を乗り出した悪ガキがこちらをはやし立てるように何かいい、変な仕草をする。悪ガキではなく、けっこういい大人のようにも見えたが。しばらくすると、この折り返しなのだろう、ファーロから国境へ向かう列車<上左中>がやって来た。さらに時間をかけて、少し空が焼けてきた。オレンジの光景<上右中、上右>を撮し、ここをあとにする。こうしたものを撮し、この日はフィルムの消費量が多くなった。
最後のポルトガル料理
夕食は、カルモ教会近くのTaskaというレストランへ。ガイドブックの通り、女性の主人はこちらの出身国を聞くと、簡単な日本語をしゃべった。ミネラルウォーターとハウスワインの赤500mlをオーダー。ボトルではなく、キャラフに入った正真正銘のハウスワイン<下左>。料理は、かなり塩辛いアンチョビ<下左中>シーフード・リゾット<下右中>(註5)をオーダー。(註5…Arozz de Marisco。)

キャラフの赤ワイン アンチョビ 鍋一杯のリゾット 食後にコーヒー

この手のリゾットは何度も食べたことがあるが、この店のものは、極小の貝が入っていた。ムール貝の稚貝か。シンプルだが美味かった。最後にコーヒー<上右>を。もう、デザートを食べる余裕はなくなっていたのだ。支払いはカードにしたかったが、自分の持っているものは使えないという。仕方なく、20.95ユーロを現金払い。<Next→移動だけの1日>

リスボン(1) リスボン(2) オビドス ラーゴス サグレス アルヘシラス ティトアン

シャウエン(1) シャウエン(2) シャウエン(3) フェズ(1) フェズ近郊 フェズ(2) ラバト(1)

ラバト(2) マラケシュ(1) マラケシュ(2) エッサウィラ(1) エッサウィラ(2) カサブランカ(1) カサブランカ(2)

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