サウダーデ&ラビリンス〜Algeciras

ポルトガル・スペイン国境

いよいよモロッコに向けて移動開始。ファーロからアルヘシラスへの移動である。当初、アンダルシアのいくつかの都市にも滞在しようと考えていたこともあるが、計画倒れに終わる。何はともあれ、物価の安いモロッコへ。

2007/08/10(Fri:第8日)移動だけの一日<ファーロ 曇り ヴィラ・レアル・デ・サント・アントニオ 曇り アヤモンテ 曇り ウエルバ 晴れ アルヘシラス 晴れ>

ファーロ駅9:25-(CP)-10:39ヴィラ・レアル・デ・サント・アントニオ駅〜ヴィラ・レアル・デ・サント・アントニオ・フェリー乗り場11:40-(Ferry)-12:50アヤモンテ・フェリー乗り場〜アヤモンテ・バスターミナル14:00-(DAMS)-15:00ウエルバ・バスターミナル15:30-(DAMS)-21:30アルヘシラス・バスターミナル〜Pensione Versalles
* ポルトガルとスペインの間には+1:00の時差があります。
* DAMS=DAMS社バス
まずは、ヴィラ・レアル・デ・サント・アントニオへ
昨日腕や足を刺された箇所は、薬を付けても腫れが残ったままで、蚊に食われたわけではなかったようである。この腫れと痒みはどうやら南京虫のようだ。この宿にいたものか、それとも、ロマの住むエリアで拾ってきたものか。ともあれ、宿の中庭で朝食<下左>。パンとハム、チーズくらいだが、ヨーロッパにしてはバリエーションは多い方か。食べ終わり、荷物を作ってチェックアウト。カード払い。

ビュフェの朝食 ヴィラ・レアル・デ・サント・アントニオ行き

駅に行き、国境のヴィラ・レアル・デ・サント・アントニオまでのチケットを購入。4.9ユーロ。同じようなディーゼルカー<上右>が3編成並んでいて、地元の人に確かめる。やはり内部はがらがら。走り出すと昨日眺めたラグーン<下左>が見える。すぐに、車掌<下左中>が検札にやってくる。

ファーロのラグーン CPの車掌 終点近くの湿地帯 まさに終着駅

海沿いを走るはずだが、ほとんど海は見えず、どちらかというと湿地帯<上右中>を走るような感じであった。1時間程度で終着。ヴィラ・レアル・デ・サント・アントニオ駅<上右>の周りはほとんど何もないがらんとしたところ。フェリー乗り場を探して歩くが、まともな案内はなかったがなんとかたどり着いた。この間、ヴィラ・レアル・デ・サント・アントニオ<下左>の中心部を歩くことになるが、かなり大きなところである。
グアディアナ川を渡り、スペインへ

ヴィラ・レアル・デ・サント・アントニオのメインストリート 到着したフェリー 小さな船室 航海中のフェリー

フェリーの料金は1.35ユーロ。まばらな人たちがフェリー<上左中、上右中>を待っている。やがてアヤモンテからフェリーが到着する。乗船と同時にチケットは回収される。フェリーとはいえ、あまり大きくないもので、乗用車は3、4台甲板<上右>に並ぶ程度のものである。ここは、約40分間隔で出ているらしいが、国境を挟んだアヤモンテ(註1)と行き来するにはやや不便なような感じである。まあ、ほとんどの人は国境を流れる川にかかる橋を自動車で往復するのだろうが。(註1…Ayamonte。ヴィラ・レアル・デ・サント・アントニオとグアディアナ川を挟んで対岸にある、国境の町。人口1.8万人。)
スペインとの間には時差があるので、10分間の航海とはいえ、時計を1時間進める。アヤモンテ<下左、下中>も、ヴィラ・レアル・デ・サント・アントニオ以上に大きなところで、繁華街もかなりの人出である。ただし、バスターミナルの場所がまったくわからず、なんとか観光案内所を見つけて、場所を聞き地図をもらった。ついでにトイレを借りる。

アヤモンテに到着 アヤモンテの繁華街 アヤモンテのバスターミナル

観光案内所では見事に英語が通じた。案内所の女性に、アルヘシラス(註2)まで行くと告げると、「それはちょっと難しい」と呟きながらも、場所を教えてくれた。地図を見ながらバスターミナル<上右>へ。しかし、建物は改修中で、外の乗り場にバスがやってくるようである。プレハブではチケットも販売するのだろうが、現在は無人なので、バスの運転手からチケットを購入するのだろう。時刻表があり、これによるとアルヘシラス直行はなく、ウエルバ(註3)まで出るか、セビーリャまで出るかである。直近のバスはウエルバ行きであった。(註2…Algeciral。アンダルシア州の都市で、人口10.3万人。対岸にあるスペイン領セウタとモロッコのタンジェへのフェリーが運航している。)(註3…Huelva。アンダルシア州ウエルバ県の県都。人口14.5万人。生ハムとエビが有名。)
ウエルバ取り残され寸前
ウエルバ行きのバス<下左>は比較的新しかった。料金は4.38ユーロと、たった1時間の割にはポルトガルに比べて高くなったような感じである。乗客はまばら。ウエルバ<下中>にはすぐに到着。海が見え、空も晴れた。

バス車内 ウエルバの湿地帯 ウエルバのバスターミナル

ウエルバのバスターミナル<上右>はかなり大きなところで、行き先表示や時刻表示などもかなり細かく出ている。アルヘシラス行きも簡単に見つかった。窓口で「アルヘシラス」と告げると「アルへシラー」と言い直されたものの、15:30のチケットを購入できた。料金はぐっと高く22.38ユーロかかる。
電光掲示板に示された乗り場で待つ。しかし、出発時刻が迫ってもそれらしきバスはやって来なかった。どれも吊革などのある近距離バスばかりであった。不安になり再び掲示板を見に行くが、そこからはアルヘシラスの文字はなくなっていたので、案内窓口で聞く。今まさに発車しようとしている満席のバス<下左>がそうであった。乗客はたくさんいるが、運転手が不在。どうやらトイレに行っていたらしい。荷物を示し、乗り込む。

バス車内 セビーリャまでの高速 セビーリャのひとつ目のバスターミナル

空いた席は最後尾しかなかった。ウエルバを出ると快適に飛ばし高速道路<上中>に入った。この頃から眠くなり、目を覚ますとまだ高速にいて、渋滞中であった。最初に立ち寄ったのはセビーリャ。しかも、2つあるバスターミナル<上右>両方に寄っていく。これで、17:00になってしまった。果たしてアルヘシラスに着くのはいつになるのだろうか。
アンダルシアを南下
休憩中結局バスは、セビーリャから南下をはじめ、アンダルシアの小さな町に立ち寄っていった。どこも警官が非常に多い。結局バス<右>は半分くらい行った3時間くらいでトイレ休憩を取った。カディス(註4)タリファ(註5)と次第にアルヘシラスに近づいていく。時差が1時間あり、日没はさらに先延ばしになったようである。まだ明るい。このあたりから、山道に入り、ジブラルタル海峡(註6)が見え出す。その向こうには山脈が見えた。これは間違いなく、モロッコのリフ山脈(註7)なのである。明日にはその中にある小さな町にいることになるであろう。(註4…Cadiz。アンダルシア州カディス県の県都。人口13.3万人。)(註5…Tarifa。人口1.7万人のアンダルシア州カディス県の都市。タンジェまでのフェリーがある。)(註6…スペインとモロッコの間に位置する海峡で、14〜44kmの幅がある。)(註7…Rif Mountains。モロッコ北部にある山脈。モワイヤン・アトラス山脈に吸収される形で終わる。山麓部にティトアン、シャウエンなどの都市がある。)
薄暗くなり、ようやくアルヘシラス到着。バスターミナルに隣接する宿にしてもいいかなと思ったが、よく見ると星の数が多く、少し歩いて安宿街へ。一番早く目に付いたところに行くと、スペイン語しか話せないおじさんの宿であった。
夜の早いアルヘシラス
部屋<下左、下中>を見せてもらう。狭いが料金が22ユーロと格安なので、決定。荷物整理はあとにし、夕食を食べに行く。すぐに見つけたレストランはアルコールなしで、見せてもらった料理はなんとタジンなどのモロッコ料理であった。どうせ、翌日から嫌になるほど食べることになるので、他を当たることにする。

ベッドルーム シャワールーム セットのバーガーとガス入りワイン

しかし、安宿街にしては閑散としていてなかなかレストランは見つからない。ようやく見つけたのは閉店間際らしいバールであった。セットものの、ハンバーガー<上右>をオーダー。ワインはあるかと聞くと、グラスになみなみとつがれて、これをガス入りのミネラルウォーターで割ったものを出された。店番をしていた姉ちゃんのお薦めらしい。味はともかく、腹にたまるものを入れたので少し落ち着く。やがて、アメリカ人らしい女性がやってきた。ビール(註7)を注文し、外で飲んでいる。(註7…Cerveza。スペインに来るとポルトガル語のセルページャがセルベッサとなる。)
この女性は、バスで近くに乗っていた人で、こちらがスペインのガイドブックを見ていると、地図を見せて欲しいと行ってきたいきさつがある。目で挨拶し、料金の5.0ユーロを払ったあと、話しかけた。やはりモロッコを目指す人であった。「明日は早朝のフェリー?」と訊かれたが、疲れていたので、昼頃かも知れないと答えておく。
シャワーを浴びて、よく眠ることが出来た。<Next→ジブラルタルを渡りモロッコへ>

リスボン(1) リスボン(2) オビドス ラーゴス サグレス ファーロ ティトアン

シャウエン(1) シャウエン(2) シャウエン(3) フェズ(1) フェズ近郊 フェズ(2) ラバト(1)

ラバト(2) マラケシュ(1) マラケシュ(2) エッサウィラ(1) エッサウィラ(2) カサブランカ(1) カサブランカ(2)

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