陽の沈む国へ〜Agadir

魚の絵を描いたシーフードレストランが多い

古都タルーダントで2日を過ごし、いよいよ大西洋岸に移動。シーフードが待っている。

2005/01/02(Sun:第9日)忍耐の移動で大西洋岸へ<タルーダント 晴れ アガディール 晴れ>

タルーダント10:50-(Grand Taxi)-11:50アガディール〜Hotel El Bahia(アガディール市内観光)
爆走グランタクシー
朝食は、やはり外にした。Place de Arcadeという、CTMバスのチケットも取り扱っている店である。朝食セット<下左>は、バゲットのパンと、オレンジジュース、茶かコーヒーという組み合わせで、18DHである。ミント茶<下右>を選ぶ。夜寒かったので、これで身体が温まる。ここには、前夜ホテルのレストランにいた、フランス人と思われる、男性5人組が食事をしに来ていた。まったくどういう連中なのかまったくわからない。

本日の朝食 ポットを開けた状態のミント茶

チェックアウト。2泊分と夕食代金で、316DH。ここはカードが使えるので、それで払う。が、オンラインの決済ではなく、カードの上をカーボンでなぞるという、旧式のものであった。ここで、アガディールまでのグランタクシー料金を尋ねる。それによると、「25〜26DHくらいだろう」とのことだ。
荷物を持って、グランタクシー乗り場まで移動。昨日昼食を取った店の前を通ると、中にいたウェイターが、目で挨拶した。マラケシュに比べるとどんどん人当たりはよくなっている。グランタクシー乗り場では、アガディールに行くということを示すと、いったんは貸し切りなのかというような、感じであったが、乗り合いで行くと、人の乗ったタクシーを指さすと、理解してもらえた模様。最初に料金を払う。ホテルで教えてもらった料金(註1)より安く、23DHだった。(註1…グランタクシーを取り扱っている親方のような人物に払う。言葉はできなかったが、必要な料金を実際に紙幣を使って教えてくれた。乗り合いと貸し切りだけでなく、助手席のみの貸し切りとかもあるらしい。)
乗れといわれた座席は、助手席だったが、そこには大柄な肌のかなり黒い男性が座っていた。その男性が席(註2)を詰めるが、ドアに押しつけられたような感じである。後部座席には、子連れの夫婦と老婆が乗っている。ドライバーと子供も入れて、7人となり、出発。ドアは自分では閉められず、外から閉めてもらった。(註2…旧型のメルセデスだが、マニュアルのフロアシフトなので、前の座席でも通常は運転手と合わせて、2名しか座ることはできないはず。グランタクシーの定員は、後ろ4名、前3名らしい。)
アガディールまでは約100km。グランタクシーは、ワルザザートと同じく旧型のメルセデスで、比較的大型である。だが、やはり窮屈である。クルマはかなりのスピードでアガディールを目指す。途中、荷物チェックか、警官がトランクを開けること2回。ここまで来ると、だいぶ暖かくなってくるのか、放牧しているラクダを見た。アガディールに近づいたところで、後ろの子連れ夫婦が降り、隣の男性が後ろに座る。これで楽になった。アガディールには、約1時間で到着する。やはりバスよりは速い。
到着したのは、グランタクシー乗り場だった。荷物を持って、プチタクシーに乗り込む。ホテル名を告げるが、わからないらしく、ガイドブックの地図を示す。ホテルまでは、8DHで、メーター料金であった。
早速バスチケット探し
Hotel El Bahia。シャワー付きの部屋を希望すると、180DHとやや高くなった。部屋<下左>を見せてもらうが、なかなかいい感じである。調度も古くなく、清潔な感じにあふれている。OKして、部屋に移動する。確かに、シャワー<下左中>は付いていたが、トイレは外であった。室内には、洗面台<下右中>があり、その隣にはビデ<下右>もついているのだが、外のトイレだ。まあ、トイレはすぐ隣なので、マラケシュほどの不便は感じなくてもいいだろう。

Hotel El Bahiaのシングルルーム シャワールーム 洗面台 ビデ

適当に荷物整理して外に出る。ここは市街の中心からは外れているが、バスターミナルが近い。フロントで道を聞くと、すぐそばだという。アガディールには、何となく立ち寄ることになったが、海が見たいということもあった。だが、ここは1泊で切り上げ、次のエッサウィラ(註3)に向かう予定であった。(註3…Essaouira。2001年旧市街が世界遺産に指定される。旧名モガドール。大西洋岸に面した港町である。)
バスターミナル付近教えられたバスターミナル<右>というものは、バス会社のオフィスが並ぶところで、バスはその前から発着するらしい。ターミナルというほどのものではないようである。その中から、エッサウィラの文字を探して歩く。客引きが、何度も寄ってくるが、別の会社を紹介される。が、どこも、時間が合わないようである。CTMのオフィスがあった。少し前にも立ち寄り、時間と料金をチェックしていたのであるが、もう少し遅い時間でもいいと思っていたのである。
CTMバスは8:00発で、エッサウィラまでは45DHであった。所要時間は3時間と、時刻表までも貼りだしてあった。チケットを申し込むと、今までと違い、プリンターで打ち出された奇麗なものであった。座席の指定もされてあった。
シーフード
チケットを手に入れ、町の方に行ってみる。アガディールは大西洋に面した都市だが、あまり観光的な要素はない。バス乗り場のあたりから海方面には、なだらかな下り坂である。ホテル近くにレストラン街があった。その中のひとつに入り、昼食を取る。看板には、魚の絵があり、海の幸が食べられるということが、よくわかる。

オリーブはサービス 色は悪いが味はよい クルトン代わりのパンと削ったチーズ 舌平目2尾

頼んだのは、コーラと、魚介スープ、舌平目のグリル、であった。道路に面したテラスに席を取る。ここはアメリカ人観光客が多いのか、どこからか英語が聞こえてくる。早速パンが運ばれ、オリーブなどの前菜セット<上左>もつく。魚介スープ<上左中>には、焼いたパンと、削られたチーズが一緒に運ばれた。パンはクルトン<上右中>代わりらしい。スープには、魚介の身は入っていなかった。エビや魚をミキサーですりつぶしたものらしく、茶色い色をしていて、けっこう美味い。ヒラメのグリル<上右>は、魚の身離れがよく、新鮮らしい。これが、2尾も付く。グリルということだが、薄く衣のついたような感じで、ムニエルに近い。できたら、これをシンプルに焼くか、刺身で食べたい。これだけで、たったの51DHであった。
大西洋
海を見に行く。ほとんどガイドブックはいらない。どんどんと下っていく。途中、物乞いがいたが、それほどしつこいものではなかった。メインストリートには、シェラトンなどのアメリカ資本のホテルが建ち並ぶ。一種のリゾートではあるが、アガディールが特にリゾートとして優れているかというと、そんなことはないと思った。
そのシェラトン脇の階段を下る。すでに海は見えていた。またしばらく行くと、海岸に出て、やや砂漠の砂の色に近いビーチ<下左>が展開する。北方面には、高い山の上に旧カスバ<下左中>が見える。アガディールは、地震で町が壊滅した経験があり、ほとんどが新市街なのである。そのカスバも、城壁が残るのみで、ここから見えるアガディールの町が素晴らしいといわれるくらいで、ここは割愛してもいいだろうと思った。

アガディールのビーチ 山の上が旧カスバ 波打ち際を歩く ビーチの南側

海岸では、何をするわけでもなく、波打ち際<上右中、上右>を歩く。ピクニックよろしく、マットを広げて座っている家族連れがいたり、ボールゲームに興じているグループもいる。モロッコは、サッカーのワールドカップに出場した経験もあるので、草サッカーも盛んなようだ。泳いでいる人<下左>はわずかにいた。それでも、気温は、今までよりも高いとはいえ、20度くらいである。歩いていると、前から来た男に呼び止められた。彼によると、「自分は漁師で、これから港を案内するので、よかったら来ないか?」とのことだったが、お断りする。そんなものは、明日行くエッサウィラで飽きるほど見ることができるのである。

泳ぐ人たち F1気分の子供 アガディールのモスク 閉館中の伝統工芸館

ビーチの入口には、ミニ遊園地<上左中>もあり、子供らが遊ぶ。ここに、モトクロスのバイクを自由に乗り回すスペースがあり、声をかけられた。こちらもお断りして、ホテル方面へ。モスク<上右中>のミナレットが目立つ。目印といってもよいだろう。ここには、伝統工芸館<上右>というものがあるのだ。しかし、閉まっていた。途中、町の不良という感じの二人組に、追い越されざまに「チノ」と声をかけられた。無視するに限るが、気分が悪い。
夕食もシーフードで満足
アガディールの観光はあっという間に終わる。待たしても、ホテルで昼寝のあと、夕食へ。昼食を食べたあたりのレストランでいいだろう。道をひとつ挟んだ隣にした。ここも魚の絵が描かれている。表にはメニューが各国語で書かれていた看板があった。日本語だけはなかったが。値段を確認して中へ。といっても、ここも、テラス席だったが。
水、ハリラ<下左>、ツナサラダ、エビのピルピル(註4)という内容。水は、ガス入りの小さなボトルだった。ただし、癖はそれほどない。エビのピルピルというのはなんだと訊くと、「ハリサソース、ピルピルソース」という答えで、辛いソースをかけたものなんだろうと思い、注文した。実は、昼食のレストランではエビをことごとくないといわれていたのである。(註4…Shrimp Pil-Pil。こちらは英語表記。Crevettes a la Pil-Pil。ポルトガルで、Pili Piliと記したタバスコのような調味料を見たこともある。これまた刺激的な味であった。)

エノキ入りのハリラ 前菜セット ツナサラダ エビのピルピルソース

ここも、水、パンとともに前菜セット<上左中>が運ばれる。ここのは、バター、オリーブとともにハリサソースなどが一皿にされている。ハリラは、黄色っぽい色だったが、エノキのようなキノコが入っていて、美味い。ツナサラダ<上右中>も、ツナ缶を1つくらい使ったような感じで、タマネギとトマトが妙にマッチしていて美味かった。手の込んだ料理というわけでもないのに。期待のエビのピルピル<上右>は、エビチリみたいな感じだった。エビは小さいものだったが、美味かった。このつけ合わせに、ジャガイモを茹でたものがあった。これには、コリアンダーの葉が刻まれていて、コリアンダーをピルピルソースに絡めていても、美味しいのではないかと思う。最後にコーヒーを頼み、料金は、69DHだった。
フロントで、7時のモーニングコールを頼む。せっかくの、CTMバスなのに、乗り過ごしては洒落にならない。夜になってくると、このアガディールも相当な冷え込みだった。<Next→港町エッサウィラ

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