長江は今日も雨だった〜長江クルージング/葛州覇ダム、宜昌

後部デッキよりの朝の風景

クルージング2日目は、白帝城観光と午後から瞿塘峡、巫峡の通過となる。途中死体が流れて来るというアクシデントもあったが、クルージング自体は順調であった。

1993/08/14(土曜日:第8日)船のエレベーターとチョウザメ<巴東 曇り 宜昌 曇り>

長江クルージング第3日 [禾弟]帰(シキ)-(長江公主号)-西陵峡通過-(長江公主号)-宜昌(葛州覇ダム、チョウザメ研究所見学)-(長江公主号)-岳陽沖停泊〜長江公主号
三峡ダム建設現場と西陵峡

ダム建設予定地 工事用の宿舎 黄沙箱 西陵峡は左右の山が見ものである

朝食前に、眠気と闘いながら観光。眠いばかりではなく、寒いくらいである。どうやら三峡ダムの建設現場<上左>らしい。三峡ダム(註1)はまだ堤防などはできていないが、工事用の宿舎<上左中>が見え、確実に計画は進行中のようであった。ふと、デッキを眺めていると、黄沙箱<上右中>というものがあり、この中には非常時に使われるのだろうか、砂が入っているのかどうか。早く引き上げたかったが、このあとすぐに三峡のラストとなる、西陵峡<上右>を通過するのである。しばらくは後部デッキで待機することとなる。(註1…この1993年より着工が開始したらしい。完成すると、かなり水位が上がり、水没する観光名所も数多い。そのかわり、大量の発電量と下流の洪水が防げるという。ともあれ完成すれば世界最大のダムということになるであろう。)

こんなところにも橋が架かる 西陵峡北側の山 やや広くなった部分 人も住んでいそうにない

そのあとに最後の峡谷、西陵峡<上左、上左中、上右中、上右>へ。しばらくデッキにいたが、寒くて仕方ないので、部屋に移動。ベッドの窓際に腰掛けて、風景を眺めることとなる。まあ、ここからも悪くない。西陵峡は、やや広くなるが、川が蛇行していて、その周辺の山との落差が2000mほどあるらしい。まだ朝が早く、まるで墨絵のような幻想的な眺めであった。
閘門式ゲートの葛州覇ダム

すでに宜昌 本船が進んでいく本流 ゲートへ ゲートへ侵入

これが終わって、いつもより遅いお粥の朝食だが、すでに宜昌<上左>(註2)にさしかかっているようで、さっとすまし、まずは前のデッキに陣取る。葛州覇ダム(註3)は、パナマ運河と同じ閘門式のゲートを持ち、高低差30mほどの下流に行くことができるのだ。まあ、川のエレベーターと考えればよかろう。前のデッキからだと、ゲートへの侵入経路がよくわかるのである。長江であるが、宜昌の葛州覇ダムでせき止められているが、長江のすべてではなく、葛州覇という中州と北側がダムとなっている。葛州覇から南側には支流となりこちらはダムがない。本流<上左>からゲート<上右中、上右>のある建物<下左>へと侵入していく。(註2…Yichang。イーチャン。湖北省の小都市であるが、長江の中でも重要な港である。葛州覇ダムを抱え、都市としての整備具合がよい。)(註3…三峡ダムができるまで長江の中でも最大のダム。船舶は閘門式ゲートで通行する。水門は3つある。)

ゲート 後部の水門が閉まる 水門がつながり人が行き来する ゲート脇の見学者というか暇人

いくつかのゲートがあるが、長江公主号くらいの大型船舶が2隻ほどが同時に入れるものである。ここで後部デッキに移動。水門の動きがよくわかるからである。水門<上左中、上右中、下左>が閉められ、水が排出される。この水門が閉められたときが、ダムの左右から歩いて渡れるチャンスらしく、人や自転車が行き来している。ゲートの周囲にも見学者<上右>がいて、一番上のデッキで見ていると、徐々に下がっていくので、最後には見学者と握手ができるほどなのだ。下流と同じ高さまで水が抜かれる。かなり下がった感じで、ゲートの左右の方が船よりもかなり高い位置になった。前の水門が開いて、下流へ<下左中、下右中>。この間、約20分ほど。ここで記念撮影<下右>してもらう。宜昌の港はここからすぐである。

水が排出されきった水門 ダムの下流へ 宜昌の港へ 記念撮影

発電所見学とチョウザメ研究所
ここ、宜昌で上陸<下左、下左中>。外に出ると前日気まずい思いをしたツアーの一団と同じバスだという。また、ここの岸にも身障者の物乞い集団がいた。まずは、発電所見学。ここには、ダムの模型<下右中、下右>などもあり、ビジュアル的にわかりやすくなっている。そして、ダム建設の映画を見せられた。もちろん、中国語なのだが、まあわかりやすい。映画の最中は、我々も例のツアーの一団も眠りこける。

船から外へ 港付近 ダムの模型 視覚的にわかりやすい

次はチョウザメ研究所<下左>。長江には、チョウザメが生息しているが、ダムができたためにチョウザメが上流に行けなくなり、ここで人工飼育をしているのだ。初めて間近でチョウザメ<下左中>を見たが不気味なものだ。ここではキャビアも缶詰にして売っているので、お土産にして買うものも数名。

チョウザメの池 人工飼育されたチョウザメ 葛州覇ダムをバックに記念撮影 この人は両腕がなかった

研究所からは、別のツアーとは別れることとなった。ダムを外から見たいとリクエストし、これがかなう。ここで記念撮影<上右中>。その後は、久々の外のレストランでの食事だ。やはり揺れないのはいい。船に戻ると、またもや身障者の物乞い<上右>集団が待ち受けていた。まるで、この船を追いかけてきているようでもある。長江公主号の手前のはしけでは、鉄板にチョークで図<下左>が描かれていた。いくつもある観光船の並びを示したもので、乗務員用なのだろう。
本格的に暇に…

船の並びを示す かなり川幅が広くなった 歓迎の服務員 日本以外の国の出し物

船に戻るが、しばらくは名所がない。このあたりまで来てしまうと川幅<上左中>もだいぶ広くなった。バーで、李さんのダム話(註4)なども聞いたが、基本的に暇。夕食では、入口にはいつもの服務員が歓迎のたすきを掛けて待ちかまえていた。ほとんどキャンペーンガール風<上右中>である。夕食もそろそろ飽きが来ていて、夜なぜか各国対抗の出し物<上右>のパーティとなる。これは一足早いが、宿泊がこれで最後となるための「さよならパーティ」なのであった。各国とも、なかなか趣向を凝らした演出であったが、日本チームというか、我々は芸がなく、カラオケによる歌である。しかし、中国語ヴァージョンのカラオケで、日本の楽曲は「赤とんぼ」と「北国の春」くらいしかない。我が日本チームは、高齢者中心に前者をやっていた。筆者は、K歯科医のビデオを借りてカメラマンとして逃げた。(註4…ほとんど講義に近いものであった。)Next→クルージング最終日

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