長江は今日も雨だった〜楽山、自貢

楽山大仏

蒋介石の別荘ホテルに宿泊し、この日はいよいよ長距離移動。通常のツアーなら組まれない、楽山から自貢へのルートである。

1993/08/09(月曜日:第3日)雨の大仏とガス袋のバス<楽山 雨 自貢 曇り>

峨眉-(専用車)-楽山(楽山観光、眠江クルージング)-(専用車)-自貢〜壇木林賓館
*楽山大仏が峨眉山とともに世界遺産に登録されています。この時点では未登録で、登録年は1996年。
朝食
朝食は、部屋と同じ棟にあるレストランで。出発が早いので、一番乗りとなったが、準備ができてなく、30分くらいは待たされた。餅米を使った、焼きおにぎりみたいなものが美味かった。ふりかけを忘れてしまい、Uさん持参の「しそ昆布」をもらって、お粥に入れる。こんな少人数のツアーではあるが、みな中国にかけてはベテランであり、そのような副食はあきれるほどあるのだ。朝食時に、頭を剃り上げた、尼さんが登場。日本人ではないようだったが、どこへ行くのだろう。
あまり美男ではない大仏

眠江大橋 大仏寺 寺の本尊? 大仏の横顔

このまま、隣接する楽山(註1)市へ。ここには、崖の岩を彫っていった、楽山大仏(註2)がある。眠江大橋<上左>を渡り、対岸へ。バスを降りて大仏寺<上左中、上右中>の中を通って、階段を下りる。折から雨。傘はやめにして、スキー場で見つけたポンチョを被る。足元は滑りやすくきわめて危ない。しかし、こんな天気でも、中国人観光客が列をなして、あとから押されるようにして降りていく。もう、この階段のところから大仏<上右、下左>は見えているのだが、さすがに高さ71mともなるとでかいの一言。見上げる形になるが、なんとか全身がカメラに収まる。眠江<下左中>は折からの雨で溢れているが、そんな中でも観光船が大仏の近くまで来ているではないか。(註1…Leshan。ローシャン。峨眉に隣接する都市。)(註2…崖を直接彫ったもので、磨崖仏と呼ばれる。アフガニスタンでタリバンの大馬鹿者に破壊された、バーミャンの大仏などもこのたぐいである。これを彫り上げるのも大変だが、さすがに顔の作りまでは手が回らなかったようである。)

大仏を見上げる 激流の眠江 雨の中ポンチョ 大仏の足指

この大仏はさすがにでかいが、顔までは緻密に彫られたものではない。何ともおおざっぱで、鎌倉の大仏などとは違って、美男とはいえない。大仏の足に乗って、メンバーに記念撮影<上右中>を頼む。大仏の足指<上右>の大きさも画像で確認されたい。また、この足下では、昔の装束を着せてカメラに収めさせるという、商売のものがいた。我がツアーからも、コスプレ好きな女性メンバー<下左>がこれに挑んでいた。

名古屋から来たメンバーの一人 船室 眠江クルージング 五星紅旗と船員

眠江クルージング
この大仏、この眠江の氾濫に対してそれを治めるために作られたらしいが、眠江はけっこう怖い川である。岸から見ても、流が渦巻いているほどである。ここを引き上げる。ポンチョを着込んでいて、汗びっしょりになった。また、眠江大橋を渡り、楽山の船着き場へ。今度は船から大仏の全体像を見ようという趣向だ。船はきちんと船室<上左中>があった。だが、ここからだと外の眺めがよくない。しかし、雨は相変わらず降り続き、船室の上にある展望台から見るのもややしんどい。船尾<上右中>に回り込むと、ビニールのカッパを着た男性<上右>がいた。降りしきる雨の中、なんとか大仏の全身<下左>をカメラに収める。流れの緩やかな箇所では手漕ぎの小舟<下左中>などもよく見受けられた。船着き場<下右中>からバスまでの間に家の間を通る。ここで唐辛子を見つけたK歯科医<下右>は、これを手に取り、人民にいつもの持論を披露。

船上からの大仏 手漕ぎの小舟 船着き場 持論をブツK歯科医

奥地での生ビール
昼食は、夏州賓館のレストラン。鳴沢さんが「生ビールがありますよ」とのことで、大きなピッチャーに注がれた、生ビールで乾杯だ。それにしても、中国でしかもこんな奥地で生ビールが飲めるとは思わなかったぞ。峨眉山天然水という、ミネラルウォーターを購入。3元。
あっさりと移動完了
天然ガスで走るバスこのまま、自貢(註3)へ。約170kmの道のりだが、道が悪く、10時間もかかったことがあるという、事前情報を手に入れていた。だが途中トイレ休憩を挟んで、5時間くらいで何とか自貢に到着。自貢に近づくと、黒い袋を屋根に積んだバス<右>を見かけるようになる。それでも、運ちゃんはとても機嫌(註4)が悪かった。なんといっても、「謝謝」と言っても、「ああ」とかの生返事だったほどだからな。(註3…Zigong。ツーコン。塩の産地。恐竜の化石が出土することでも有名。塩が産出する過程で、天然ガスも産出するようになり、この地域では天然ガスで動くバスなどもある。)(註4…おそらく、ここに1泊したのち、成都まで引き返すのがとてもしんどいのだろう。)
カエル料理で乾杯
ここのホテルは、檀木林賓館<下左>。ここも、いくつかの建物があり、我々は、4楼に宿泊。電話が付いていたものの、こちらは何故か使用できない。客室<下中>はさすがに今までよりも質素になる。建物が中庭を囲むという作りで、夕食は、1楼のレストランで。ここも、カエル料理が出て、辛いものの、鶏のささみそっくりの味に食が進む。ビールは地元自貢ビールであったが、レストランに青島があるのを見つけたK歯科医が、みんなに振る舞う。さすがに金はたくさんあると見える。

集合住宅風のホテル 写っているのは同室のHさん 暇そうな美容院

この食事後、スルーガイドとは違う自貢のガイド李さん(男性)が夜の散歩をしようと、皆を誘ったのだが、大して面白いものもなく、ホテルに引き返す。ビデオを流す店などに客がたむろし、意外に賑やかである。が、道が悪い。こぎれいな店は美容院<上右>であった。部屋には、クーラーもあったが、時代物でほとんど効かず、蒸し暑い。テレビでは、日本のドラマ(註5)を吹き替えでやっていた。何故か字幕が入っていたのは、香港あたりから流れてきたからだろうか。(註5…日本のトレンディドラマ<死語>であった。)Next→塩と恐竜

上海・成都 峨眉山 自貢 大足 鬼城 白帝城・三峡 葛州覇ダム・宜昌 洞庭湖・岳陽 武漢・上海 帰国 

TOP 長江は今日も雨だった目次 旅行記INDEX

inserted by FC2 system